【4月24日 MODE PRESS】日本を代表するファッションコンテスト「装苑賞」の第86回公開審査会が24日、東京・新宿の文化学園で開催された。応募総数1596組の中から二次選考を通過した16組の新人デザイナーが、それぞれテーマを掲げて作り上げた3体をミニショー形式で発表した。

 学生、社会人問わず、デザイナーを職業としていないクリエーターを対象に開催され、今回で86回目となる装苑賞。最近では、アイデアや形のデザインだけでなく、素材開発から取り組む参加者も多く、より総合的なバランスや力が要求されている。今回の審査会では、“ニット”や“プリーツ”など素材や加工の可能性を追求した作品や“働く車”をテーマにした大振りな作品、真空パックのクラッカーやプラスチックスプーンを大量にあしらい“食べることのできる衣服”を提案する作品など、テーマ性が強く挑戦的なものも発表された。

 審査員は、日本を代表するデザイナー8名が務め、結果発表後にそれぞれ総評を述べた。津森千里(Chisato Tsumori)は「若い人の考えが勉強になった。デザイナーは一人ではできない仕事。チームワークを大切に取り組んでください」とエールをおくった。コシノヒロコ(Hiroko Koshino)は「装苑賞はあくまでも通過点。次なる目標に向かって進んでください」とコメント。一方で「全体的に不完全燃焼な印象。複雑すぎて伝りにくい作品が多かった」と語ったのは、岩谷俊和(Toshikazu Iwaya)。菱沼良樹(Yoshiki Hishinuma)は「素材開発はおもしろいが、仕上がりが雑。ボディとのつながりをもっとつっこんで考えてほしい」と辛口のコメント。最後に、山本里美(Limi Yamamoto)は、「いま中国や韓国のファッション業界にエネルギーがあり、かっこいい。日本のこれからのファッションを盛り上げていくのは、皆さんのような若い人々です。がんばってください」と締めくくった。(c)MODE PRESS

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