まるでリン旋風?中国バスケットボール界を熱狂させるマーブリー
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【3月3日 AFP】ニューヨーク・ニックス(New York Knicks)のジェレミー・リン(Jeremy Lin)は、控え選手から米プロバスケットボール協会(NBA)に旋風を巻き起こした。
一方、地球の裏側では、ニックスで不良債権のような扱いをされたステフォン・マーブリー(Stephon Marbury)が、中国プロバスケットボールリーグ(CBA)を揺さぶっている。
リンの巻き起こす「リンサニティー(Linsanity、リン旋風)」は、今や世界中に知れ渡っているが、中国ではマーブリーを擁する北京ダックス(Beijing Ducks)がCBAプレーオフ準決勝進出を果たしたことで、「マーブリー・マッドネス(マーブリーの狂気)」が沸き起こっている。
2月26日に行われたプレーオフ準々決勝(5試合制)の浙江ライオンズ(Zhejiang Lions)戦で、マーブリーは第3クォーター(Q)だけで14得点を奪う活躍を見せ、ダックスは105-91で勝利し、3連勝で準決勝に駒を進めた。
一部の人の間では、平凡な選手から一躍スーパースターに出世し、中国や両親の生まれ故郷である台湾の人々をひきつけているリンのシンデレラストーリーよりも、マーブリーの活躍が話題に上がっている。
満員となったダックスの本拠地の観客席の2列目に陣取ったファンはAFPに対し、「林書豪(Shu-How Lin、リン)のNBAでの活躍は見ているよ。だけど私たちのヒーローはマーブリーさ。みんなが马布里(Ma Buli、マーブリー)を見たくて試合を観戦しに来ているんだ」と、両選手の中国名を交えて語った。
■中国バスケットボール界に大きな役割を果たす外国人選手の活躍
首脳陣との確執により、2009年にニックスを放出されたマーブリーや、そのほかの外国人選手のプレーが、中国の未来を担うバスケットボール選手たちの成長に重要な役割を果たしている。
中国の約3億人のバスケットボールファンは、米国で生まれ育ったリンと同等の実力を持つポイントガードが、いつの日か中国で誕生することを期待している。中国人選手でNBAで成功を収めたのは、2011年に引退した2メートル29センチの長身を誇るセンターの姚明(Yao Ming、ヤオ・ミン)氏だけだ。
2011-12シーズンのマーブリーは、NBAと比べて格段にレベルの低いCBAで飛び抜けた活躍を見せており、26日の試合で見せたダブルハンドダンクは中国メディアで繰り返し放送されている。
試合後にマーブリーは、「中国に来てからさほどダンクを決めていなかったけど、バスケットまで大きく開いた道筋が見えたから、そのまま突き進んでダンクしたのさ」と笑顔で語った。
■中国国内で高まるマーブリーの評価
ダックスをシーズン開幕13連勝に貢献し、1試合平均24得点、6.4アシストを記録しているマーブリーのリーダーシップと決断力は、各チームの首脳陣から高い評価を集めている。
NBAのオールスターチームに選出されたこともあるマーブリーは、2010年に来中して以降、中国に慣れ親しんでおり、自身のブランド「スターブリー(Starbury)」のバスケットシューズを国内で生産し、インターネットを通じて販売している。
中国の国営英字紙チャイナ・デーリー(China Daily)で定期的にコラムを執筆し、ツイッター(Twitter)に似たマイクロブログで20万人超のフォロワーを獲得しているマーブリーは、いつの日にか中国代表チームで指揮を執る夢を持っている。
ダックスでマーブリーとともにプレーする元アトランタ・ホークス(Atlanta Hawks)のランドルフ・モリス(Randolph Morris)は、「マーブリー・マッドネスは中国全土を席巻してるよ。人々を集めることができるカリスマ性があり、中国を愛する才能豊かな人物だよ。彼が取り上げられることは、バスケットボールや中国と米国にとっても良いことだね」とコメントした。
NBAの労使協定交渉が難航したことにより、多くの米国人選手が中国に活躍の場を求めたが、マーブリーの前に敗れ去ったケニオン・マーティン(Kenyon Martin)やJ・R・スミス(J.R. Smith)、ウィルソン・チャンドラー(Wilson Chandler)らはすでに米国に帰還した。
ダックスで1試合平均23得点、10リバウンドを記録しているモリスは、「ステフ(マーブリーの愛称)はまだNBAでプレーできると思うけれど、彼のキャリアの中ではすでに終わったことなんだ。彼は事業を拡大したり、自分の持つバスケットの知識を広めたりと、ここでさらに成長したいと願っている。それが彼の持つビジョンだ。かなり前向きなものだよ」と語っている。
最後に、リン旋風についてマーブリーに考えを聞いた。
「特に今シーズンはロックアウト問題があったので、NBAに注目を集めるためにリンサニティーは役立っている。アジアにルーツを持つ若者をメディアに押し出したNBAコミッショナーのデビッド・スターン(David Stern)氏は良い仕事をしたよ。アジアが世界最大のマーケットのひとつであることを認識しているんだ」
(c)AFP/Robert Saiget
一方、地球の裏側では、ニックスで不良債権のような扱いをされたステフォン・マーブリー(Stephon Marbury)が、中国プロバスケットボールリーグ(CBA)を揺さぶっている。
リンの巻き起こす「リンサニティー(Linsanity、リン旋風)」は、今や世界中に知れ渡っているが、中国ではマーブリーを擁する北京ダックス(Beijing Ducks)がCBAプレーオフ準決勝進出を果たしたことで、「マーブリー・マッドネス(マーブリーの狂気)」が沸き起こっている。
2月26日に行われたプレーオフ準々決勝(5試合制)の浙江ライオンズ(Zhejiang Lions)戦で、マーブリーは第3クォーター(Q)だけで14得点を奪う活躍を見せ、ダックスは105-91で勝利し、3連勝で準決勝に駒を進めた。
一部の人の間では、平凡な選手から一躍スーパースターに出世し、中国や両親の生まれ故郷である台湾の人々をひきつけているリンのシンデレラストーリーよりも、マーブリーの活躍が話題に上がっている。
満員となったダックスの本拠地の観客席の2列目に陣取ったファンはAFPに対し、「林書豪(Shu-How Lin、リン)のNBAでの活躍は見ているよ。だけど私たちのヒーローはマーブリーさ。みんなが马布里(Ma Buli、マーブリー)を見たくて試合を観戦しに来ているんだ」と、両選手の中国名を交えて語った。
■中国バスケットボール界に大きな役割を果たす外国人選手の活躍
首脳陣との確執により、2009年にニックスを放出されたマーブリーや、そのほかの外国人選手のプレーが、中国の未来を担うバスケットボール選手たちの成長に重要な役割を果たしている。
中国の約3億人のバスケットボールファンは、米国で生まれ育ったリンと同等の実力を持つポイントガードが、いつの日か中国で誕生することを期待している。中国人選手でNBAで成功を収めたのは、2011年に引退した2メートル29センチの長身を誇るセンターの姚明(Yao Ming、ヤオ・ミン)氏だけだ。
2011-12シーズンのマーブリーは、NBAと比べて格段にレベルの低いCBAで飛び抜けた活躍を見せており、26日の試合で見せたダブルハンドダンクは中国メディアで繰り返し放送されている。
試合後にマーブリーは、「中国に来てからさほどダンクを決めていなかったけど、バスケットまで大きく開いた道筋が見えたから、そのまま突き進んでダンクしたのさ」と笑顔で語った。
■中国国内で高まるマーブリーの評価
ダックスをシーズン開幕13連勝に貢献し、1試合平均24得点、6.4アシストを記録しているマーブリーのリーダーシップと決断力は、各チームの首脳陣から高い評価を集めている。
NBAのオールスターチームに選出されたこともあるマーブリーは、2010年に来中して以降、中国に慣れ親しんでおり、自身のブランド「スターブリー(Starbury)」のバスケットシューズを国内で生産し、インターネットを通じて販売している。
中国の国営英字紙チャイナ・デーリー(China Daily)で定期的にコラムを執筆し、ツイッター(Twitter)に似たマイクロブログで20万人超のフォロワーを獲得しているマーブリーは、いつの日にか中国代表チームで指揮を執る夢を持っている。
ダックスでマーブリーとともにプレーする元アトランタ・ホークス(Atlanta Hawks)のランドルフ・モリス(Randolph Morris)は、「マーブリー・マッドネスは中国全土を席巻してるよ。人々を集めることができるカリスマ性があり、中国を愛する才能豊かな人物だよ。彼が取り上げられることは、バスケットボールや中国と米国にとっても良いことだね」とコメントした。
NBAの労使協定交渉が難航したことにより、多くの米国人選手が中国に活躍の場を求めたが、マーブリーの前に敗れ去ったケニオン・マーティン(Kenyon Martin)やJ・R・スミス(J.R. Smith)、ウィルソン・チャンドラー(Wilson Chandler)らはすでに米国に帰還した。
ダックスで1試合平均23得点、10リバウンドを記録しているモリスは、「ステフ(マーブリーの愛称)はまだNBAでプレーできると思うけれど、彼のキャリアの中ではすでに終わったことなんだ。彼は事業を拡大したり、自分の持つバスケットの知識を広めたりと、ここでさらに成長したいと願っている。それが彼の持つビジョンだ。かなり前向きなものだよ」と語っている。
最後に、リン旋風についてマーブリーに考えを聞いた。
「特に今シーズンはロックアウト問題があったので、NBAに注目を集めるためにリンサニティーは役立っている。アジアにルーツを持つ若者をメディアに押し出したNBAコミッショナーのデビッド・スターン(David Stern)氏は良い仕事をしたよ。アジアが世界最大のマーケットのひとつであることを認識しているんだ」
(c)AFP/Robert Saiget