【10月14日 AFP】仏高級ブランド「エルメス(HERMES)」は、新たな市場インドに向け、限定サリー・コレクションを発売する。

■インドの伝統に敬意

 インドの女性は普段洋服を着て働いているが、結婚式などのフォーマルな場では民族衣装のサリーを着用する。エルメス インディア(Hermes India)のベルトラン・ミショー(Bertrand Michaud)社長は「インドの文化やインド女性の優美な伝統をより理解するために、今回のサリーを発表しました。インドの伝統に敬意を示すために、我々が現在持っている全ての技術を駆使しました」と語る。

 サリーはパリで製作された。ターゲットはインドの新興富裕層で、価格は30万ルピーから40万ルピー(約47万円~約62万7000円)。カシミアやシルクツイルなど様々な素材を使用し、全28着を販売する予定だ。

■ラグジュアリー市場に期待

 国際コンサルタント会社AT Kearneyは、インドのラグジュアリー市場は2015年までに現在の3倍にあたる150億ドル(約1兆2000億円)規模に成長すると予測。また、市場調査会社TNSによると、インドの富裕世帯は、ドイツやフランスを含めたヨーロッパの富裕世帯数を上回っている。

 エルメスは、サリーの発売以外にもインドで積極的にビジネスを展開している。今年はムンバイ(Mumbai)市内にアジア最大規模の旗艦店を オープン。多くの高級ブランドが五つ星ホテルやショッピングモール内にひっそりと店舗を構えるなか、英国植民地時代の建造物を改修した大規模な旗艦店で注目を集めた。

 ミショー社長は「私たちは、インドの生活の一部になりたいのです」と語った。(c)AFP/Penny MacRae

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