【10月7日 AFP】デザイナーのカール・ラガーフェルド(Karl Lagerfeld)が手がける「シャネル(CHANEL)」は4日、フランス・パリの「グラン・パレ(Grand Palais)」で12年春夏コレクションを発表した。

■真っ白な海の世界

 真っ白のサンゴ礁やエイなど、海底をおもわせる巨大なオブジェが設置されたランウェイには、海のモチーフをとりいれたホワイトやパステルカラー、シルバーのドレスやスーツに身を包んだモデルが次々と登場した。

 カールは「海をモチーフにしたが“人魚”のように見えることは避けたかった。人魚なんて、この世に存在しないからね。それよりも、海底に生きる 植物や海藻、魚などが今シーズンのインスピレーション源になった」と語る。

■軽やかなテキスタイル

 クラシックな膝丈のドレスやスーツは、ホワイトやパステルピンク、アイスブルー、海の泡のようなグリーンなど、軽やかなカラーパレット で展開。レイヤーやひだ飾り、ラッフルなどのディティールが光る。

 また、水中ならではの浮遊感を、特殊加工を施した軽やかな素材で表現した。「今回のようなコレクションに、伝統的な厚手の素材を使っていたら、 ひどい出来になっただろう。全ての素材は3グラムほどの重さしかない」とカールは語る。

 ホワイトのビキニは、ブラックの模様が入ったシースルーのレインコートをコーディネート。「ビーチにはパーフェクトだろ?」とカール。

■シャネルの象徴を・・・

 スカートはどれも膝丈が中心。ロングドレスはわずか3ルックしかなかった。「それで充分。ロングドレスなら、これまでに何度も登場しているか ら」とカールは語る。

 黒でトリミングしたツイードジャケットやドレスといったシャネルの象徴的なデザインを控えめにした理由いついては、「みんながツイードやボタ ン、トリミングといった象徴を模倣し“シャネルの偽者”を作っている。しかし、私にはそうする必要がない」とコメント。さらに「これまでの定番を すべて他のものに置き換え、多様化をはかった。すべてを除外しすぎてしまったほどだよ」語る。

 その言葉通り、定番であるウエストチェーンは、パールに置き換えられた。また、そのほかにもパールは、モデルのヘアスタイルを飾るアクセサリー やネックレスにも使われた。

■フローレンス・ウェルチの生ライブ

 さらに会場に設置された貝殻のステージ上では、ホワイト×ブラックのドレスに身を包んだ歌手フローレンス・ウェルチ(Florence Welch)がライヴ・パフォーマンスを披露した。

 ショーに出席した女優のユマ・サーマン(Uma Thurman)は、「徹底的で究極なまでに贅沢で美しかった。純粋なままの素晴しいショー」と称賛した。(c)AFP/Emma Charlton

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