【8月2日 AFP】ブラジル・サンパウロ(Sao Paulo)市内で7月中旬、プラスサイズの女性のためのファッションイベント「Fashion Weekend Plus SizeFWPS)」が開催された。

 今年で4回目を迎える同イベントでは、ブラジル国内の10ブランドが特別に制作したプラスサイズの2012年春夏アイテムをショー形式で紹介。 約40人のモデルがランウェイに登場した。

■ぴったりのサイズを求めて

 「露出度の高いビキニ」で知られるブラジルだが、人口の半分は「太り過ぎ」とされている。そんな現状にも関わらず、ブラジルのブティックで はほっそりした体型の人のためにデザインされた服が主役になっている。

 イベントを立ち上げたのは、ブログを通じ“プラスサイズ・ファッション情報”を発信しているジャーナリストのレナータ・ポスクス・ファズ (Renata Poskus Vaz、29)。以前はプラスサイズ・モデルとして活動していたレナータは「300も400も店舗があるショッピングモールに出かけ、歩いて探し回ったとしても、自分にぴったりのドレスを見つけることができません。それはとても悲しく、厄介なことです」と語る。

■ファッションで自分を表現

 しかしながら最近、ぽっちゃり体型の女性たちが、プラスサイズのジーンズやイブニングウェア、ランジェリーなどを見つけられる専門店が登場してきた。「以前、プラスサイズ専門店は年配の人のためだと考えられていました。しかし、今は違います。現在ブラジルの女性たちは、彼女たちをプ ラスサイズ専門店から遠ざける偏見の壁を乗り越えてきているのです」とレナータは語る。

 ファッションブランド「Exuberante」のマーケティング責任者は「以前は“普段着”以外の選択肢がありませんでした。しかし、たくましい女性たちは、自分を表現する権利を獲得しました」とコメント。細身の女性デザイナーも「現在、私たちのスタイルは同じになりました。豊かな体型の女性も、思い切って大胆なカッティングと色づかいの服で出かけています」と語る。

■ブログで情報発信

 プラスサイズの女性向けにスタイルアドバイスを行うブログも登場した。XLサイズという意味のブログ「Tamanho GG」を手がける23歳のクリエイター、タリタ・アルーダ(Thalita Arruda)は「美意識に基づいた“ファッション”と、“プラスサイズ・ファッション”は、同じものではありません。しかし、ありがたいことに、私たちを“強い女性”として受け入れてくれる専門家もいます」とコメント。

 「Tamanho GG」に参加するブロガーのデボラ・リマ(Debora Lima、21)は、「いまだにプラス・サイズの服を探すのが困難な」ブラジル北東部のペルナンブコ(Pernambuco)州で暮らしている。しかし、 環境的なハンデを乗り越え、最新スタイルを研究し、ブログを訪れる女性たちとその成果をわかちあっている。「肉付きがよくても、それほどぽっちゃ りしていなくても、ドレスアップして個性を出すことはできるのです」と語った。(c)AFP

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