【4月4日 AFP】バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領のミシェル(Michelle Obama)夫人と、ニコラ・サルコジ(Nicolas Sarkozy)大統領のカーラ・ブルーニ(Carla Bruni-Sarkozy)夫人が3日、北大西洋条約機構(NATO)の首脳会議に出席する夫たちに同行してフランス東部ストラスブール(Strasbourg)に到着した。今最も魅力的なファッション・アイコンとして注目を浴びているファーストレディー2人の「初顔合わせ」となった。

 フランスのファッションの専門家らは、2人のファッションへのアプローチはまったく異なると指摘する。ミシェル夫人は大胆さを取り入れている一方、カーラ夫人はクラシカルな装いだという。

 ファッショントレンド予測などを行うフランスのデザイン事務所ネリー・ロディー(Nelly Rodi)のヴァンサン・グレゴワール氏(Vincent Gregoire)はAFPに、「過去数年間は注目すべき存在がいなかったが、この2人の女性が登場したことで政界におけるファッションに再び注目が集まった」と語っている。

 2人にはもうひとつ共通点があると指摘するのは、French Fashion Instituteの講師フローレンス・ミューラー(Florence Mueller)氏。「二人ともとてもシンプルな装いが得意。カーラ夫人はジーンズにプルオーバーとスカーフなどを合わせることもあるし、ミシェル夫人はJ.クルー(J.Crew)やギャップ(Gap)のような、一般的なブランドで装うのが得意だと自分自身でも言っている。控えめな予算でもエレガントな装いをすることができることを2人は証明した」と述べている。

■クラシカルなカーラさん、少し大胆なミシェルさん

 ミューラー氏は2人の違いが見られるのはフォーマルな装いだと指摘する。カーラ夫人は特にクリスチャンディオール(Christian Dior)などのフランスの高級デザイナーの服を好み、その結果フランスの高級ブランドを支援するかたちになっている。

 一方、ミシェル夫人は「自分が好きなメジャーブランドではないデザイナーを支持する」という。有名なデザイナーの服や「由緒ある」服を着ることはなく、多様性から生まれたオリジナリティーのあるデザインの服を好むことから、米国ファッション界の活性化を目指しているとミューラー氏はみている。大統領就任式でミシェル夫人が着た選んだドレスはキューバ出身の女性デザイナー、イザベル・トレド(Isabel Toledo)氏の物だった。

 カーラ夫人はより控えめなイメージを目指そうとしており、そのため、場合によってはスチュワーデスのような装いになったり、古風なおばあさんのような服装に見えてしまうこともあると、先のグレゴワール氏は話す。

 グレゴワール氏によると、ミシェル夫人の方がよりシンプルな路線を目指しているという。「ファッショナブルな主婦や母親、つまり自分に何が似合っていて、何が似合わないかをよく知っている人だ」

 グレゴワール氏は「ミシェル夫人のほうが、少しだけ大胆だ」と述べた後、こう付け加えた。「カーラ夫人がもう少し自由に自分自身の装いをするようになるのを、われわれは待っている」 (c)AFP/Dominique Schroeder