【12月4日 AFP】ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)首相は4日、テレビを通じて国民からの質問に答えるテレビ版「タウンミーティング(市民対話集会)」に出演した。テレビを利用することで、ロシア国民に同首相の存在感を印象づける狙いがあるとみられる。

 市民との対話集会は、プーチン首相が大統領時代から実施してきたもの。4日のテレビ番組では、モスクワ(Moscow)のスタジオでの観覧者に加え、ロシア各地の視聴者からも、Eメールや電話で質問を受け付けた。番組は3時間以上に及んだ。

 過去の例では、番組は長時間におよび、屋根の雨漏りや給料の未払いといった身近な問題がほとんどを占める一方、プーチン首相の「タフガイ」的イメージを高める外交問題にも話しが及ぶことが多かった。

 今年の番組の冒頭の質問でプーチン首相は、「重要なのは役職ではなく、わたしに託された責任だ。運命がわたしに、この国のために尽くす役割を与えてくれたことは幸福だ」と答えた。

 世界を巻き込んだ金融危機については、「倫理、組織、金融、政治の全てにおいて備えが必要」と述べた。

 また、対米関係の見通しについては、「われわれが言葉だけでなく実際に行動に移せば、米国も即時に感じ取ってくれるだろう。肯定的な変化を期待しているし、現在、そうした兆しが見られる」と好意的な見方を示した。

 一方、ドミトリー・メドベージェフ(Dmitry Medvedev)大統領はプーチン首相のようなテレビ版対話集会は行っていないが、政府のウェブサイトに動画付きブログを立ち上げている。ブログは定期的に更新されるという。(c)AFP/Nick Coleman