【3月27日 AFP】ニコラ・サルコジ(Nicolas Sarkozy)仏大統領とともに26日、英国を公式訪問したカーラ・ブルーニ(Carla Bruni)夫人の服装が、上品で威厳があったとして専門家の間で高い評価を得ている。

 歓迎式典に出席したカーラ夫人はクリスチャン・ディオール(Christian Dior)のグレーのコートとそれに合わせた帽子、黒いベルトに黒い手袋というファッションを選んだ。

■外交的なメゾン&デザイナー選択

 英タイムズ(Times)誌は、カーラ夫人のファッションについて「『サンダーバード(Thunderbird)』に出てくるレディ・ペネロープ(Lady Penelope)」や「60年代の客室乗務員」と決してお世辞とは言えない表現を用いたが、品がありエレガントだと評した。「フランスらしく、落ち着いて洗練されたように見えた」とCarolyn Asome記者。

「英国人デザイナーのジョン・ガリアーノ(John Galliano)が手掛けるフランスのクチュールメゾン『ディオール』を選んだことは、外交的な選択だった」

■エレガントだけど無難

 英国版「ハーパース・バザー(Harper's Bazaar)」誌のエディターLucy Yeomansは、「最初の印象は、ジャクリーン・ケネディ(Jacqueline Kennedy)がフランスの女の子マドレーヌちゃんに出会った、という感じだった」と夫人の服装について語る。

「とてもエレガントだったが、アクセサリーや手袋などもとても無難なものを身につけていた。すべてを正しくやろうと努めていた若きダイアナ元妃(Princess Diana)を思い出した。仕立ても美しく、今のトレンドに合っているが、尼僧のようでもあった」

■ジャクリーン風エレガンス

 ヴォーグ.com(Vogue)のエディター、ドリー・ジョーンズ(Dolly Jones)は、カーラ夫人はメディアの注目の中、「完ぺきな上品さを演出した。小さな帽子とラウンドカラーはジャクリーン・ケネディのようだった」と称賛した。「落ち着いたグレーのウール素材のコートは、英国の天気と合っていた。彼女が注目を浴びようとしたのではないことは確かだ」

■フラットシューズで好印象

 イメージ・コンサルタントのAngela Marshallは、夫人がフラットな黒いパンプスを履いたことに注目。大統領やエリザベス女王(Queen Elizabeth II)、フィリップ殿下(Prince Philip)との身長差を縮め、好印象を与えようとするものだったと話す。

「とてもシンプルで優雅で、そして無難に見せようとしていた。流行のスタイルだったが、唯一の難点は髪を下ろしていたことだ」

■ヌード写真騒動と対照的な“控えめファッション”

 訪問前日の25日、英各紙はカーラ夫人がモデルだった1993年当時に撮影されたヌード写真を掲載していた。この写真は、クリスティーズ(Christie's)で競売にかけられる予定だ。Yeomansは「服装に、ヌード写真騒動の影響があるのかどうかはわからない」とコメントした。(c)AFP