【1月30日 MODE PRESS】シアトルを拠点とする高級百貨店ノードストローム(Nordstrom)は、ルーベン・トレド(Ruben Toledo)のイラストによる広告キャンペーンを数年来展開している。新キャンペーンは、ファッション写真家ルーヴェン・アファナドール(Ruven Afanador)との共作で、3次元表現へとさらに進化した。

 トレドは20×30フィート(610×915メートル)の壁に、シュールレアリスティックで人目を引くモノクロイラストを描いた。人気のきっかけとなった奇抜で新しい美的感覚は、キューバ人アーティストである彼の持ち味だ。そこに彼が顔や身体にペイントしたモデルを登場させ、アファナドールが写真によって感度の高いファッション性をとらえた。

 「ファッションとアートが共にあることを、ギャラリーでのモデル撮影で表現した。ルーベンの作品をただの背景にはしたくなかった。結果、2人は絵画と写真を完全に融合し、予想を超えたすばらしいものを作った」とノードストロームのマーケティング担当部長、リンダ・フィン(Linda Finn)。

 キャンペーンは、3月に『エル(Elle)』『ヴァニティ・フェア(Vanity Fair)』『ヴォーグ(Vogue)』で展開され、ヴォーグ用ビジュアルのモデルをリリー・コール(Lily Cole)が務める。

 アファナドールの起用はトレドが決めたことだという。「トレドのキャンペーンが新鮮であり続けるために、どのように発展させるか話し合ってきた。アートと写真を組み合わせる実験は、去年のデザイナーカタログが最初だった」とフィン部長は語る。

 「広告キャンペーンは、僕にとってはすばらしい芸術作品。描いた壁は高さ20フィート×幅30フィートもあって、シーンごとに三つの壁と床があるんだよ!」とトレド。絵は撮影の合間に現場で描かれ、セッティングされた。「すごく速いスピードで描いた。周りのみんなからパワーをもらったよ。これがファッションやアートの素晴らしいところなんだ」と語った。(c)Fashion Week Daily/MODE PRESS