【6月24日 AFP】ロサンゼルス・タイムズ(Los Angeles Times)紙は、ドーピング疑惑等の影響で現役続行が危ぶまれている2000年シドニー五輪の金メダリスト、マリオン・ジョーンズ(Marion Jones)が多額の負債に首が回らない状態にあると報じた。

 同紙は法廷内記録として、ノースカロライナにあるジョーンズの250万ドル(約3億円)の自宅が2006年に銀行から差し押さえられ、また陸上コーチのDan Pfaff氏が起こした訴訟で読み上げた宣誓証言内で、(ジョーンズの)流動資産が2000ドル(約24万円)であると伝えた。Pfaff氏は、コーチを行っていたジョーンズに対しトレーニング費が未納であるとして訴訟を起こし、24万ドル(約3000万円)を賠償金として得ている。その法廷内においてPfaff氏の弁護人からの質問を受けたジョーンズは、「私が把握していればね。いろいろな請求書、弁護士費用、ライフスタイルを維持するために必要なもの諸々があったの」と、金がどこに行ったか分からないと語った。

 以前にジョーンズは、BALCO社(Bay Area Laboratory Co-operative)がステロイドの製造販売について連邦の調査を受け、その後BALCOとの関わりあいが明らかになったことで裁判所への出廷を余儀なくされた。判決でステロイドを販売したビクター・コンテ(Victor Conte)氏は有罪判決を受けたが、ジョーンズが否定を繰り返す中、2004年にテレビ番組内でジョーンズがパフォーマンスを高めるために薬を使っていたと発言。これに対し、ジョーンズは、大陪審出廷とBALCOの創設者であるコンテ氏が行った中傷に対する裁判に向け弁護士を雇った。

 シドニー五輪で3つの金メダル、2つの銅メダルを獲得したジョーンズは、2003年に元短距離米国代表のティム・モンゴメリー(Tim Montgomery)との間に男児を設けたが、翌2004年のアテネ五輪では出場種目で予選通過も出来ずに終わった。現在はバルバドス出身の短距離選手オバデレ・トンプソン(Obadele Thompson)と結婚している。しかし、2006年の全米選手権(AT&T USA Outdoor Track and Field Championships)に出場したジョーンズは、ドーピング検査においてAサンプルの尿から赤血球生成促進因子のエリスロポエチンが見つかった為もう一度ドーピング疑惑をかけられることとなったが、予備サンプルでの結果は陰性となった。

 最も最近にジョーンズを指導していたコーチのSteve Riddick氏はロサンゼルス・タイムズ紙に対し、ジョーンズが2006年に出場したいくつかの大会の時、ジョーンズはポルシェに乗っていたとし、「彼女が必死に努力していたとは思わない」と語っている。(c)AFP