【6月22日 AFP】コードか絵筆か?音楽か絵画か?英国のロンクバンド、ローリング・ストーンズ(Rolling Stones)のギタリスト、ロン・ウッド(Ron Wood)は両方とも行う。彼は同バンドの欧州ツアー、パリ公演の準備をすると同時にフランスで初となる展覧会を開催している。

「音楽と芸術両方で表現できることはとても喜ぶべきことだ」とロン・ウッドは、ジーンズにスニーカー姿でAFPのインタビューに応じた。

「演奏することと絵を描くことは素晴らしい気持ちのはけ口なんだ。スタジオ内で曲を制作してオーバーダブするときは、背景から入って徐々にメインの絵になっていくという絵を描いているのと似てるんだ。この手順は一緒だよ」

ロン・ウッドの約30作品は、6月18日から29日までパリの中心地にあるBailly Contemporainギャラリーに展示されており、作品は多くの色を使用し躍動感のある油絵から、鉛筆でのスケッチやエッチング、木版画まで多岐に渡る。

「自分にとって大きなことだよ。パリで展覧会をするのは初めてで子供の頃からインスピレーションの中心だったんだ。フランスの印象派の(ポール・)セザンヌ(Paul Cezanne)や、ジョルジュ・ブラック(George Braque) に大きく影響を受けた。もちろんスペインの(パブロ・)ピカソ(Pablo Picasso)にもね」

ロン・ウッドは18日の展覧会初日に合わせてパリに滞在し、展示方法の最終確認を行った。

展示会場にはストーンズのコンサートに限らず、ジミ・ヘンドリックス(Jimi Hendrix)、スラッシュ(Slash)、ボブ・マーリー(Bob Marley)の肖像画も多く飾られた。

「もし誰かの目を捕らえることができたら、他のことも後に続く。それが目の持つ魔法だよ」と話すロン・ウッドは、12歳の頃から絵を描き始め、1975年にストーンズに参加する前に、ロンドンにあるイーリング美術大学(Ealing College of Art)で学んでいた。

「元は、肖像画家としてスタートした。同年代のミュージシャンを描くことがスタートする方法だったんだ」と当時を振り返る。

「シンプルな線で描くことを心がけているんだ。特に最近の作品は黒と白の線で描いていてネガティブなイメージを出している」とも話した。

絵を描くテクニックの話に及ぶと、ロン・ウッドは「どんな作品も小さな鉛筆のスケッチから大きな油絵に仕上げていくんだ。今一番好きなのはアクリル絵具だよ。すぐ乾くしね」と笑った。

「でも結局は油絵とパステル画かな。油絵の具はすぐに乾燥しないで、しばらくその状態を保てるんだ。絵の具が動くから直ぐに修正可能なんだ。他の手段を使うよりも油絵の具を使った方が、より深く追求できるよ」と話す。

 またロン・ウッドは、自ら絵を描くだけでなく世界の著名な画家の作品のコレクターでもある。最近では自身初となるトゥールーズ・ロートレック(Toulouse Lautrec)作品『which I love』を購入。またピカソやレンブラント(Rembrandt)のエッチングに並ぶアンリ・マティス(Henri Matisse)の作品『tiny ones, beautiful』も購入している。またジョルジュ・ブラックの2作品も所有し、ウィリアム・オーペン(William Orpen)の作品集も持ち合わせている。

ストーンズの他のメンバー、ミック・ジャガー(Mick Jagger)、キース・リチャーズ(Keith Richards)、チャーリー・ワッツ(Charlie Watts)はどう思っているのだろうか?

「そのことに対してはあまり話さないよ。彼らは俺がやっていることを黙っているのが好きなんだ。俺がやっていることを尊重してくれているよ」と話す。

ウッドは今回の展覧会で作品を売ることを目的としていないと言う。

「作品を売るのは心が痛むよ。手放したくないんだ。もし売るとしたら、ずっと持ってるためにキャンバスの写しかレプリカを確実に作るよ」

「私の好きな絵のうち既に何枚かは高額で売れているけど、それらが未だに恋しいんだ」

(c)AFP/Paul Ricard