【テヘラン/イラン 1日 AFP】イランで進められている厳しい服装規制は、外国人や観光客にも求められるようになったと30日、イラン学生通信(Iranian Student’s News Agency)が伝えた。

■今後も続く服装規制

 テヘラン警察署長代理官ホセイン・サジェディー・ニア(Hossein Sajedi-Nia)氏は、「旅行代理店には、観光客にこの国のイスラム法を十分説明し、警告するよう求めている」と述べた。

 イラン政府はここ10日間で、服装規定に合わない女性に1万部の警告書を出したほか、十数人を一時拘束した。

 「今後も規制を和らげる予定はない。毎年夏恒例の取り締まりに加えて、私服警察官が来週から取り締まりに加わる」とサジェディー・ニア氏。

■観光客を意識した方針を

 イランではイスラム法の下、女性は髪の毛を覆うスカーフや、体のラインが見えないような服装が求められている。非イスラム教徒や外国からの観光客もこの法に従うことが求められる。

 毎年何千人もの観光客がイランを訪れるが、近年はビザ規制や不安定な地方情勢などで、入国を拒否されることもあった。

 しかし最近は、ビザの規制を緩和し、各地の宿泊施設をより充実させることで、観光客を増大やそうとしている。

■取り締まりは女性の安全の為

 イラン警察のイスマイール・アフマディ・モガダム(Esmaeel Ahmadi- Moghadam)署長は、「服装規制は女性の身の安全のためにも、これからも続けていく」と述べる。

 「現時点で女性は公共の浴場やプール、ホテルなどに安心して行くことができない」として、女性の盗撮などが頻繁に起きる現状への懸念を示した。

写真は、テヘラン市内のショッピングモールに政府が貼ったポスター。イスラムの規範に沿った服装を呼びかける内容が書かれている。(2007年4月29日撮影)(c)AFP PHOTO/ATTA KENARE