【モスクワ/ロシア 13日 AFP】ロシアとベラルーシは12日、両国の対立からロシア産原油の欧州向け送油が停止していた問題で、停止を解除し、パイプラインを通じて欧州向けの送油を正式に再開したと発表した。タス通信(ITAR-TASS)が同日、伝えた。

 タス通信によると、ミハイル・フラトコフ(Mikhail Fradkov)首相は同日、両国の利益に見合うかたちで再開の合意に至ったと述べた。フラトコフ首相によると、ベラルーシはロシア産原油の輸入で1トンあたり53ドルの輸入税を支払うこと、また同原油をベラルーシで精製し、欧州へ輸出することでもロシアに関税を支払うことで合意したという。

 両国の大統領が12日、電話で会談し解決策を見いだしたことで今回の合意に至ったとされている。

 両国は原油貿易で複雑な協定を結んでおり、ロシアはベラルーシが、ロシア産原油を使い不当な利益を上げていたと主張していた。

 供給再開に至ったことで欧州でのエネルギー危機はひとまず回避されたが、エネルギー供給者としてのロシアへの信頼は改めて失墜する結果となった。

 写真は11日、原油の供給が再開されたドルジュバ(Druzhba)パイプライン。(c)AFP/VIKTOR DRACHEV