【3月25日 marie claire style】ユニクロとデザイナーのジル・サンダー氏による伝説のコラボレーション「+J」。9年ぶりに復活を遂げて大きな話題を呼んだ昨年の秋冬に続き、この春、21年春夏コレクションの最新作がフルラインナップで誕生。ジル・サンダー氏へのインタビューとともに、その魅力をご紹介。

今回のコレクションで表現したいことについて教えてください。

21年春夏では、「静かなオプティミズム」を表現することを目指しています。美しくも慎ましく、上品で透明感あるカラーを使っています。クオリティーと、素材のイノベーションも追求し続けたいと思っています。全体のイメージは「洗練」、つまり再生と新たなスタートを思わせるような純粋さです。

「+J」が掲げる、「モダン・ユニフォーム」の考え方を教えてください。

「モダン・ユニフォーム」は、さまざまな場面やあらゆる気候に対応できる、ベーシックな服であるべきです。ただしこれは、デザインするうえでは大きなチャレンジです。現代を生きる人々がひとつになって、解決を必要とするあらゆる問題を含んだ今この瞬間を共有していく。その助けになるような力を持った服でなくてはなりません。

イギリス出身のフォトグラファー、デヴィッド・シムズ氏によって撮影された「+J」の21年春夏キャンペーンの写真は、あなた自身がディレクションを行なったそうですね。

私はデヴィッド・シムズの作品の光の質と明るさが大好きです。デヴィッドと、彼の素晴らしいチームと長い期間一緒に働いてきた中で、私たちはお互いの仕事の質を高め合ってきました。

今回のキャンペーンの撮影に込められたメッセージやコンセプト、特別な思い入れはどのようなものでしょうか。

今回の撮影には、私たちがいずれパンデミックを克服するであろうということ、そしてパンデミックが起こる以前よりも、私たちがより賢明な判断や対処ができるようになっているのではないかという楽観的な考えが密かに込められています。スタイルはレイヤリングで見せることによってモダンさと軽快さを強調。洗練さと新しいスタートや再生といったコレクションのテーマをこのキャンペーンで表現しました。

モデルのキャスティングについても教えてください。

キャスティングに関しては、モデルそれぞれの個性やカリスマ性、知性、そして人の興味をひきつける顔立ちかということを重要視しました。私にとって大切なのは、メッセージとの調和と、キャストたちの交流の中で生まれてくるエネルギーです。「+J」は新しい種類のグローバルユニフォームを提示していく一方で、それぞれの人が違った解釈で着ることができるということにも気づいてほしいと思っています。

あなたが現在まで、ファッションで多くの人の心を摑むことができたのはなぜですか。

ただ単に、「着る人に幸せと強さをもたらす服を作る」というヴィジョンを一貫して追い続けてきたからではないでしょうか。また、無駄を排除するという点については、社会の流れの先を行っていたかもしれません。そして、クオリティーの追求、洗練された控えめな表現、立体的なフォルム、革新的な素材といった要素が合わさり、多くの課題を抱える現代社会において、まさに「今に相応しい」と感じられる、時代のニーズに応えるデザインを生み出してきたのだと思います。

ずばり、ヘルシーであり続けるためには?

ポジティブであること。自分のクリエイティブな夢をためらわずに実現していくことです。

■プロフィール
ジル・サンダー(Jil Sander)
ドイツ生まれ。女性誌のファッションエディターとしてキャリアをスタートした後、1968年に自身の名を冠したブランドを設立。80年代からミラノコレクションへ参加し、時代を先取りしたデザインで国際的な成功を収める。2009年、ユニクロと「+J」コレクションを発表し、新たな服の可能性を切り開く。

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(c)marie claire style/photo: (c)UNIQLO