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【12月21日 marie claire style】イエス・キリストの降誕祭「クリスマス」は、フランス語で「ノエル」と呼ばれている。イエス・キリストは、「クレッシュ」と呼ばれる小屋で、生誕したとされ、ここからつけられたのか、フランスで保育園を「クレッシュ」と呼ぶ。この「クレッシュ」に幼いイエスが寝ていて、周りを聖人たちが見守っている模型が、アーブル・ド・ノエル(クリスマス・ツリー)と共に、家庭では飾られる。 

 以前フランスでは、24日の前夜祭に家族が集い、教会にミサに行き、夜遅く戻り、晩餐をしたそうだ。

 教会に行く前に、お腹に栗を詰めた大きな七面鳥を、天火に入れて出かけ、戻った時ちょうど良く焼けているのを食べる習慣があったそうだ。現在でも信仰心の熱いキリスト教信者は、この習慣を続けているそうだ。

 フランスでは、通常は鳥を食べるが、「クリスマス」には家族が集い、多人数となるので、大きな七面鳥を食べる習慣が出来たと聞いた事がある。シャンパンやワインが開けられ、前菜は、牡蠣、フォアグラ等が出される。デザートには、「ビュッシュ・ド・ノエル」と呼ばれる、薪の形をしたケーキを食べる。なぜ、薪の形をしたケーキなのか、色々な説があるが、冬がとても寒いヨーロッパでは、一晩中暖炉に薪を焚べて、幼いキリストを温めたという説があり、そこから来たのではとされている。そして前夜祭のディナーは延々と続くのだ。

 12月に入ると、家庭では、クリスマスツリーが飾られ、家のドアに、柊の葉を飾る。街中では、大きなツリーを見かける。フランスで、クリスマスツリーは、「サパン・ド・ノエル」と呼ばれ、サパン(モミ)の木に、思い思いのデコレーションを飾る。以前、モミの木は森に刈りに行ったが、今は、花屋、スーパーなどで入手することができる。我が家のサパン・ド・ノエルは、いろいろな国の旅行先で手に入れたデコレーションで、満艦飾だ。

 幼い子供たちは、クリスマスプレゼントは、「ペール・ノエル」(サンタクロース)が届けてくれると信じている。親たちは、前もってクリスマスプレゼントに何が欲しいか、子供たちに探りを入れ、品を揃える。クリスマス当日の朝、サロンに飾られたクリスマスツリーの下に、名札のついたプレゼントが置かれている。年上の子供がプレゼントをひとつずつ取り上げ、名前を読み上げ、それぞれに配る。プレゼントを受け取った子供たちは、みんなで包装紙を開き、お互いにプレゼントを見せ合う。そのため部屋には包装紙の山ができてしまう。その日の昼食は、また御馳走が並べられ、集まった家族は、食事と会話を楽しむ。

 フランスのクリスマスは、日本のお正月のように、遠くで仕事をしていた人が家に戻ってきたり、家族や友人がたくさん集まる。が、今年のフランスのクリスマスは、コロナウイルスの影響で、子供を除き成人は6人以内で行うように、政府から指示が出されている。例年のように家族全員が集まることが出来ないのが残念だ。

 フランスの大晦日は、年の終わりということで、あちこちでパーティが開かれ、大騒ぎをするが、1月1日は普通の祭日、特別なことは行われず、クロワッサンとカフェオレの朝食ですませ、2日から通常通り仕事に行くのだ。

■プロフィール
山崎真子(Yamazaki Mako)仏版『マリ・クレール』元ファッション・エディター、副編集長。日本の美術大学を卒業後、一般企業に就職。1968年に渡仏。テキスタイル会社に勤務後、フリーのスタイリストとして活躍する。85年「マリ・クレール アルバム」社に入社。サラ・ムーンやピーター・リンドバーグなど一流のカメラマンたちと仕事を重ね、『マリ・クレール』の黄金時代を代表する作品を創り上げた。2014年に同社を退職。現在は執筆活動に従事。

■関連情報
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(c)marie claire style/text: Mako Yamazaki

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