【11月12日 marie claire style】生粋のパリジェンヌであり、女優、そして監督としても活躍中のレア・セドゥが、来年に公開を控えた最新作への出演について語る。

 2006年にデビューして以来、フランスのみならず、ハリウッドを舞台に世界的な女優として活躍するレア・セドゥ。「ルイ・ヴィトン」のアンバサダーも務めるなど、ファッションアイコンとしての人気も高い。映画出演では、2度目のボンドガール役を引き受けた『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』、ウェス・アンダーソン監督の『ザ・フレンチ・ディスパッチ』(原題)と、話題作が来年、続々公開を予定。まさに今、彼女の女優としての快進撃が止まらない。

公開が待たれる最新作『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』に出演されていますが、見どころは?

実はまだ完成版を観ていないの。特殊効果がいくつか足りなくて、まだ編集が終わっていないのよ! でも、とにかく素晴らしい作品になったと思うわ。とても面白いし、ジェームズ・ボンドのスマートで毒のある切り返しが好きよ。イギリス風のシックを体現しているところもね。カーチェイスも楽しんだわ。ダニエル・クレイグは、『007』というアイコニックなキャラクターに深さと複雑さを上手く取り入れたと思う。

あなたとダニエル・クレイグの共通点は?

妙よね。ダニエル・クレイグは男性で、イギリス人で、私とは違う年代の俳優。けれど、彼の中に自分と似たものを見出すことがあるの。どこか謎めいていて、内向的。ハリウッドの世界では珍しいわね。彼は私に気に入られているとかいないとか、そういうことをまったく気にしていない。そこが好きよ。

ダニエル・クレイグがあなたのボンドガール続投を後押ししたのではとの話もありますが・・・。

そういう噂は聞いたことがあるし、自分でもそうだったらいいのにと思うわ。とても光栄なことよ。けれど、彼が私を推薦したという事実はないの!

英国のドラマ「Fleabag フリーバッグ」のフィービー・ウォーラー=ブリッジが脚本に関わり、『007』の最新作にフェミニズムと現代性を吹き込んだそうですね。ご自分の役にもそれを感じましたか?

何百万人という人たちが観る映画には、社会の変化を反映する責任があるわ。今の時代、ジェームズ・ボンド作品で、男性に支配されるだけの女性が出てきたとしたら、それはナンセンスよ。だから女性が自己主張しているの。今、映画界には強い女性が必要。『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』では女性の登場人物が強い力を持つようになっていて、性的対象物として描かれてはいない。それに私個人としても、セクシュアリティだけで判断される役はどんなものでも好きじゃないわ。

「#MeToo」運動以降、映画界でもポジティブな変化は見られましたか?

女性差別はまだ深く根付いていると思うわ。インテリで教養のある男性が、堂々と女性蔑視を表明している業界なの。私からしてみればまったくセクシーじゃないけれど。

ウェス・アンダーソン監督の新作『ザ・フレンチ・ディスパッチ』(原題)で演じられているキャラクターはどういう女性ですか?

すごく好きよ。演じるのも楽しかった。私の演じた中でも最高の役かもしれないわね。確かに、「この映画最高!」となることはよくあるわ。作品に没頭しなければいけないし、毎回演じる役が最高のものになると信じる必要もある。でも、とにかく観てくれればわかるわ。本当に最高なの。小さな役だけれどとても面白くて、こんなに深みがある描き方ができるウェスはやっぱり天才ね。素敵な贈り物をもらった気分よ。

『ザ・フレンチ・ディスパッチ』も、やはり今年公開予定だったものが延期されていますね。コロナ禍での不安をどうコントロールしていますか?

パンデミックも人生の一部だと考えるようにしている。避けられないもので、過去の歴史の中にもあったし、この後にもあるかもしれない・・・。色々と内省もしたわ。答えの出ない問いを自分に投げかけたりね。自粛中の時間は読書に費やした。マルグリット・デュラスや、アーサー・シモンズの『エスター・カーン』、フランソワ・トリュフォーの自伝からチェーホフの小説まで、家にあるものを片っ端から読んだわ。それでも、好みとしては愛を扱ったものが多かったの。「愛にしか興味はない」というのはカトリーヌ・ドヌーヴの言葉だけれど、それがぴったりだわ。そこから、フランス文学の名作にも手を伸ばしたいと思ったの。バルザックも読み直したい。ついに『ボヴァリー夫人』を読んだけれど、高校時代に読んでいたらきっと意味がわからなかったでしょうね。

初期のレア・セドゥを自分自身で見てどう思いますか?

当時、自分の演技がイマイチだったなと思っていた映画でも、今見返してみると、「まあ、実際それほど悪くなかったわね」と思うことがあるの。でも本当に重要なのは、自分自身をどう見るかではなく、私の役を通して人々がどんな感情を抱くかだと私は思うわ。

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(c)marie claire style / photos: Philip Gay / realization: Anne-Sophie Thomas / assistant stylist: Agathe Gire / hair: Alexandrine Piel / make-up: Sandrine Cano Bock〈Artlist Paris〉/ manicure: Edwige Llorente / production: Zoé Martin / assistant: Zoë Derks〈Producing Love〉/ interview: Loïs Flayac