【8月27日 marie claire style】歴史を感じさせる街並みや、異国情緒の漂う列車、陽光が降り注ぐ海辺・・・。山崎まどかさんの選んだ旅情あふれる作品で、部屋にいながら海外旅行へ。

 その国/その都市ならではのエキゾティックで魅力的なロケーションを使った映画は星の数ほどあるが、その作品に出てくる場所に行ったような気がする、または行きたい気持ちにさせられる映画には常に異邦人の視線がある。主人公たちとともに日常を離れ、見知らぬ場所で何かを見つける。そんな経験をさせてくれる作品を選んだ。

・ポルトガル、夏の終わり
リスボン近郊の古都、シントラで遅いバカンスを過ごす女優と彼女のちょっと複雑な構成の家族たち。アズレージョ(タイル)の壁が美しい街並みや霧深い森の中でそれぞれの過去とこれからの思いが交錯する、大人のための会話劇。

・ダージリン急行
父を亡くし、疎遠になっていた3人の兄弟がインドを旅する。ウェス・アンダーソン監督らしく、小道具から架空の鉄道会社の列車の外観まですべてが洒落ていて、彼の映画の中のみに存在するファンタジックなインド旅行を満喫できる。

・ベニスに死す
ベニスの避暑地リドを訪れた初老の音楽家が、泊まっているホテルで美しい少年を見つけて恋い焦がれる。絵画のような美しい映画だが、コレラの蔓延という不吉な背景もあり、たった今見るべきタイムリーな作品にもなっている。

■プロフィール
山崎まどか(Madoka Yamasaki)
1970年生まれ、東京都出身。コラムニスト、翻訳家。女子文化をキーワードに映画・文学・音楽などのカルチャーについて執筆。著書に『オリーブ少女ライフ』『優雅な読書が最高の復讐である』『映画の感傷』、翻訳書にレナ・ダナム著『ありがちな女じゃない』など。最新刊は『ランジェリー・イン・シネマ』。

■関連情報
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(c)marie claire style/selection, text: Madoka Yamasaki