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【3月16日 marie claire style】ミラノコレクションが終わった翌日からパリコレクションがスタートしました。新型コロナウイルスの緊張感はさほどなく、コレクションも予定通り最終日まで開催されました。こんな不穏な時代だからこそ、もっとファッションがもたらす幸せな気分を発信したいという思いが伝わります。メゾンそれぞれがヘリテージとオリジナリティを強く打ち出すのがパリコレクションの特徴です。

■手技で仕上げる服
パリではブランドの手仕事の技を存分に発揮したコレクションが目立ちます。

「メゾン マルジェラ」は、1月に発表したオートクチュールコレクションに引き続き、クラシックなブルジョワジーのアイテムを新しい解釈でアップデートしたルックを並べました。解体されたアンフィニッシュなアイテムは、大きな運針ステッチが施され、別布の半身と合わされています。チュールドレスには、大きなボウタイでつけるワンスリーブがアクセントで重なります。正方形のプリントスカーフで作ったワンピースには、馬用のブラシでなく歯ブラシがプリントされるなど茶目っ気もたっぷり。オートクチュールコレクションよりぐっとリアルに、フェミニンさも加えてモードな世界を広げています。
 
「ノワール・ケイニノミヤ」は、真っ赤から朽ちて黒に移りゆくグラデーションの花をドレスで表現しました。1片ずつ手技で作るオーガンジーの花びらは量感たっぷりです。シンプルなドレスにも、PVCで編み込んだリボンのボディハーネスを重ねています。

■アートコラボレーション
ファッションとアートを融合させたコレクションが多く登場しました。

「ロエベ」は、クラフト(工芸)の重要性を認知し、優れた才能を持つクリエイターを発掘するプロジェクト、"ロエベ クラフト プライズ"を4年前に設立しています。「ロエベ」のクリエイティブ ディレクターのジョナサン・アンダーソンは、2017年特別賞を獲った陶芸家の桑田卓郎さんとコラボしました。ゆったりと流れるようなロングドレスの胸には、桑田作品を思わせるゴールドの突起や飾りがついています。おちょこのようなオブジェがついたバッグはアートピースとして販売は未定。気負わないラグジュアリー感とブランドの手技を融合させた「ロエベ」は、今注目のブランドです。

「ジュンコシマダ」は、イタリアの古典絵画から世界を広げたコレクションを発表しました。オフショルダーのパフスリーブニットには、タフタのボリュームスカートを合わせたロマンティックでリアルなコーディネートが印象的です。アイコンのライダースジャケットにも量感たっぷりのスカートを合わせ、新鮮でした。

■チェック柄
秋冬ということもあり、クラシックなスタイルが目立ちます。中でもメンズライクなツィードやグレンチェック、ハウンドトゥースなどのチェック柄が気になります。

「サンローラン」のファーストルックには、赤黒のチェック柄ジャケットに、同じ柄のボウタイブラウスが登場しました。ボックスシルエットのマニッシュなジャケットの下には、PVCのピタピタのレギンスを合わせています。
 
「ディオール」は、赤や黒、白、茶など、ロンドンをイメージしたベーシックなチェックをバイアスに剥いだり、チュールと組み合わせたり、軽快なルックを並べました。黒のタイと斜めがけしたサドルバッグが、ガーリーな着こなしで人気を呼びそうです。

「ステラ マッカートニー」は、英国を代表するウィンドウペンをバイアス、タテ、ヨコに組み合わせてモダンなアンサンブルに仕立てました。

■マーメイドシルエット
1月に開催されたオートクチュールコレクションで、いち早くマーメイドシルエット打ち出したのが「ヴァレンティノ」です。プレタポルテでは、もっとリアルなコーディネートで展開されました。ビッグシルエットなニットの裾から覗く、マーメイドのロングスカートは、全体をIラインにすっきり見せます。袖の量感と裾のボリュームを持たせたドレスは、お気に入りの1点です。

「アクリス」は、ナイロンのキルティングコートの下からチュールのバルーンスカートを合わせ、カジュアルなマーメイドシルエットを描きました。ヒップラインまでトップスを被せるのが着こなしのポイントです。

 今人気の若手デザイナーが自身の名を冠したブランド、「マリーン セル」。切り替えによりトップスをボディにフィットさせたマーメイドドレスを並べました。期待のデザイナーです。

■ブラック&エクリュ
パリジェンヌは白ではなく、エクリュと呼ばれるオフホワイトが大好きです。

「シャネル」は、このエクリュと黒のコントラストを大胆にデザインしました。黒のレースブラウスとパンツのルックには、エクリュのツィードジャケットを羽織っています。パンツは脇をボタンで外せるジョドパーズ、中から乗馬をイメージするコンビのブーツが覗きます。フィナーレは黒、白、エクリュのショートパンツに、ロングコートを合わせたルック3体を並べました。

「セリーヌ」は、コーデュロイのベルボトムパンツにフリルやボウタイブラウスを合わせ、シックな70年代パリジェンヌを描きました。黒いワンピースにエクリュの襟とフリルをのぞかせるルックは、まさにBCBG(ボンシック・ボング)です。

「サカイ」は、異素材を組み合わせるハイブリッドなアイテムが得意ですが、今シーズンは2配色でシンプルなシルエットを強調したドレスを披露しました。特に黒、白、エクリュを使ったコーディネートは、ゴールドのチェーンやファスナーを組み合わせ、「サカイ」らしいエッジの効いたルックに仕上げています。揺れるシフォンやバイアスレースの白ブラウスに、黒のロングスカートの組み合わせが新鮮です。

(c)marie claire style/text: Terumi Hagiwara

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