【2月7日 marie claire style】2020年春夏オートクチュールコレクションがパリで発表されました。クチュール(注文服)は顧客に向けて、シーズンのリアルタイムに発表されます。最近はジェットセッターや起業家など自分だけのスタイルを求める女性が増え、日本人の顧客も増えています。通常仮縫いが2回、仕上がるまでに2〜3ヶ月はかかり、まさに自分だけの着継いでいく(サスティナブルな)ファッションとして人気が高まっているのです。大量生産、大量消費に飽き「自分たちのクリエーションを全うできるのはまさにオートクチュールだ」とクチュールに転向するデザイナーも増え、よりコレクションを活気付けています。

 「シャネル」はヴィルジニー・ヴィアールによる2回目のオートクチュールコレクションを発表しました。会場のグラン・パレには野の花や野菜を植えたガーデンが設置され、その周りをモデルがキャットウォークします。今までとは違い、自然でソバージュな背景にリアルなマドモワゼルスタイルが並びました。白と黒を中心としたツィードのミニマルドレスや膝丈スーツにはソックスと低いパンプスを合わせ、ガーリーなコーディネートです。スカートに重ねるオーガンジーやチュールがイノセントな雰囲気を加えます。大袈裟なロングドレスは無く、フィナーレのマリエも白のモスリンのミニドレス。束ねた髪に淡いピンクのチュールのヘッドドレスを合わせました。

 クレア・ワイト・ケラーが「ジバンシィ」のアーティスティック・ディレクターになり5シーズン目のオートクチュールコレクションです。女性らしいエレガントなラインが得意なクレアですが、今シーズンはユベール・ド・ジバンシィのアーカイブを引き継ぎながら、優雅で繊細なドレスが多く登場しました。スミレやかすみ草、マリーゴールドなど儚げな花がプリントや刺しゅうで描かれています。シルクタフタやオーガンジーでふんだんにラッフルを描いたドレスは構築的でありながら歩くたびに美しいなフォルムを演出しています。

 「アルマーニ プリヴェ」はシャンパンゴールドのテーラードジャケットをベースに大胆なフラワープリントのワイドパンツを合わせました。イカット風なエスニックプリントはブルー、グリーン、レッドなど大胆な色使いがアクセントになっています。棒ビーズのフリンジをあしらったトップスやドレスは軽やかさと動きを加えながら、クチュールの技を感じさせます。

 ジョン・ガリアーノがクリエイティブ・ディレクターを務める「メゾン マルジェラ」は「アーティザナル」Co-edコレクションを発表しました。ベースにあるのはブルジョワジーへの反逆。伝統に対して進化し続ける価値観をコレクションに反映させています。首に大きなボーを結ぶ片袖アイテムは絶妙な量感でアシンメトリーのフォルムを作り、ドレスやコートにアクセントを添えます。マニッシュなチェックはバイアスに剥ぎ、ニットと絡ませながらモダンなお嬢さんスタイルを作ります。足元は人気のタビシューズやリーボックとのコラボスニーカーを合わせマルジェラスタイルを完成させています。

 「ヴァレンティノ」は、数シーズン続いた量感たっぷりの優雅なドレスからIラインを強調したシルエットに変わりました。ローウェストから広がるマーメイドドレスが並びます。円錐形のブラトップ、直線的な配色や扇型に揺れるイヤリングなどデコっぽいモチーフが登場します。白、黒、ブルー、ラベンダーカラーに大胆な赤がアクセントカラーとして使われています。リボンディテールや大きなラッフルを描いたスカートなどシンプルなシルエットの中に華を盛り込みます。その新しい美しさが「ヴァレンティノ」をさらに魅力的なブランドに仕上げました。

(c)marie claire style/text: Terumi Hagiwara