【12月19日 marie claire style】 今年も終わりますね。私の今年を振り返ると、雑誌やwebの連載がたくさん増えました! ありがたいことに、多いときには7本くらい? 連載をさせていただいたのですが、なかでもラジオのパーソナリティを9ヵ月間務めさせていただいたことが、すごく大きな出来事でした。そのラジオ番組は、今年の春から秋にかけて開催された「瀬戸内国際芸術祭2019」という、3年に1度のアートのお祭りをレポートするものでした。世界中からやってきたアーティストや、瀬戸内に暮らす方々にお話を伺ったり、たくさんの作品と出会ったのですが、特に印象に残っているのが小豆島にある「GEORGES gallery」というアートギャラリーです。

 ここのオーナーの石井純さんは、企業に勤められていたときに、ジョルジュ・ルースというフランス人アーティストと出会います。ジョルジュは、これから壊されていく建造物や空間に、遠近の面白さを上手く使ったトリックアートのような作品を描き、それを写真に撮ります。描いたものは壊されてしまうので、残るのは写真だけ。石井さんは阪神・淡路大震災のときにジョルジュを日本に招き、これから撤去されてしまう建物たちを作品にしてもらい、写真に残しました。

 今回、石井さんは祖父母の家をギャラリーにし、ジョルジュの作品を展示しています。長く続く畳の広間に輝く金色の丸。屋根裏部屋に描かれた四角。どちらも近づくと、形が崩壊していくように見える体験型のアートです。

 ジョルジュの作品が壊されずに残されているのは、世界でここだけ。阪神の街に、アートで希望の光を灯したいという思いで誕生した2人の絆。なんだか奇跡を見た気持ちになりました。

■RECOMMEND/「GEORGES gallery」
開館時間: 10:00~17:30
定休日: 不定休 
※休館日はホームページをご参照ください
場所: 香川県小豆郡小豆島町馬木甲881-9
お問い合わせ先: 080-6725-9494
https://www.georges-gallery.com/

■プロフィール
前田エマ(Emma Maeda)
1992年生まれ。東京造形大学卒業。オーストリアウィーン芸術アカデミーに留学経験を持ち、在学中より、モノづくりという観点から、雑誌のディレクション、ショーやイベント、ファッションブランドのモデルをつとめる。ほかにもエッセイ、写真、ペインティング、朗読、ナレーションなど、分野にとらわれない様々な活動が注目を集めている。N・F・B所属。

■関連情報
【無料ダウンロード】marie claire style PDFマガジンをチェック!
(c)marie claire style/selection, text, photo: Emma Maeda