【11月28日 marie claire style】 デザイナーの皆川明さんが立ち上げたブランド「ミナ ペルホネン」の展覧会がこの秋から、東京都現代美術館で開催されています。

私が「ミナ ペルホネン」のことを知ったのは高校生のとき。当時、私は『装苑』や『spoon.』といった、リアルファッションから少し離れた夢を見せてくれるようなファッション雑誌に夢中になり、穴があくくらい読みこんでいました。その中にちらほら登場する「ミナ ペルホネン」は、テキスタイルという言葉もまだ知らなかった私にとって、とても衝撃的な服でした。服のデザイン自体は、とてもシンプルなワンピースだったりスカートなのですが、使われている布に広がる物語に心奪われました。森の中に佇むオオカミ、小さな頃に夢の中で出会ったかのような蝶々、冬の寒空のなか電信柱に降り続く雪・・・。それは立体的な刺繡やレース、水彩画のようなプリントで表現されていて、服をキャンバスに、絵を描いているみたいなものでした。ひとつひとつを見ていると、小説やおとぎ話を読んでいるかのような、どこかへ旅をしているかのような気持ちになりました。

 母と一緒に、初めて「ミナ ペルホネン」の白金台(現在は代官山に移転)にあるお店へ行ったときは、ものすごく緊張しました。高校生の終
わりか、大学へ入学した頃だったと思います。お店の絨毯や机、置いてある花瓶すべてに、若かった私は興奮し、数分しか滞在しなかったのに、帰るときには旅行帰りのようなクタクタで幸福な気持ちになりました。

 今回選んだのは、大学の終わり頃に初めて買った「ミナ ペルホネン」の服を着ている写真です。「大切にします」と誓い、震えながらオーダーしたこの服が、おばあちゃんになっても似合うような人になりたいです。

■RECOMMEND/「ミナ ペルホネン/皆川明 つづく」
会期: ~2020.2.16(日)
※2020/1/13を除く月曜日と12/28(土)~2020/1/1(水)、1/14(火)は休館日
会場: 東京都現代美術館 企画展示室3階
お問い合わせ先: 03-5777-8600(ハローダイヤル)
https://mina-tsuzuku.jp/

■プロフィール
前田エマ(Emma Maeda)
1992年生まれ。東京造形大学卒業。オーストリアウィーン芸術アカデミーに留学経験を持ち、在学中より、モノづくりという観点から、雑誌のディレクション、ショーやイベント、ファッションブランドのモデルをつとめる。ほかにもエッセイ、写真、ペインティング、朗読、ナレーションなど、分野にとらわれない様々な活動が注目を集めている。Now Fashion Agency所属。

■関連情報
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(c)marie claire style/selection, text: Emma Maeda/photo: Mariko Kobayashi