【11月28日 marie claire style】1992年、イギリス・ロンドン生まれ。貴族の名家の血を引き、高校生からモデルの活動を始める。2011年に「バーバリー」のショーでランウェイ・デビュー。その後は、「シャネル」や「サンローラン」といった有名ブランドのランウェイにも多数参加し、トップモデルとして確固たる地位を確立。12年には映画『アンナ・カレーニナ』で女優デビューを果たし、リュック・ベッソン監督作『ヴァレリアン 千の惑星の救世主』などにも抜擢された。現在は、「ディオール」の新しいスキンケアライン"カプチュール ユース"のミューズも務めている。今、世界が注目する時代のアイコン、カーラ・デルヴィーニュの素顔に迫る。

 スーパーモデルとして一時代を築き、太眉ブームの立役者としても絶大な人気を誇るカーラ・デルヴィーニュ。2011年に「バーバリー」の秘蔵っ子として注目を集め、一躍トップモデルの仲間入りを果たすと、世界で最も稼ぐモデルの1位に輝いたこともある。しかし、その実力は一つのフィールドに収まることはなく、今では女優、歌手、作家、活動家として、マルチな才能を存分に発揮している。

 高校時代にモデル事務所に所属してからすでに10年。モデルとして華々しいキャリアを積みながら、ここ数年は女優としても頭角を現し、映画『スーサイド・スクワッド』や『ヴァレリアン 千の惑星の救世主』といった話題作に次々と出演している。女性としての可愛さを残しつつ、クールであり、中性的なオーラを放ちながら、聡明さも感じさせるカーラ。彼女のことを一言で表現するのは困難なほど、多面的な魅力を併せ持つ唯一無二の存在と言ってもいいだろう。稀代のデザイナーであったカール・ラガーフェルドはカーラのことを寵愛し、「ファッション界のチャーリー・チャップリン」と称していたが、それも頷ける。

 不動産業で成功した父親と貴族の血を引く母親を持つ上流階級の出身で、ソーシャライトの美人3姉妹の末っ子という絵に描いたようなセレブのカーラだが、15歳のときには母親の薬物依存症と、自分が他人と違うことに対する恐怖から精神障害に陥ったことがあるという。「当時の私は対処する術がわからなくて、休息をとったり、時間をおいたりする代わりに、気を失おうと思って自分の頭を木に打ちつけたこともあったわ。だから、私にとって仕事をするということは、そんな状況から抜け出すための手段だったの。でも、今は仕事を逃避先にするのではなく、私自身の基盤にしたいと思っているわ」と打ち明ける。

 辛い経験を乗り越えたからこそ、歯に衣着せぬ発言力と物怖じすることのない自由奔放さを身につけたのかもしれない。そんな風にありのままで生きようとするカーラの姿こそ、周囲の目を気にしてばかりの現代に生きる私たちが彼女を愛さずにはいられない理由の一つだろう。

 出演最新作であるAmazonビデオシリーズ『カーニバル・ロウ』では、オーランド・ブルームとともに主役を務め、高い評価を受けているところだが、演技が好きであることを知ったのは中学生のとき。学校の演劇で看護師役を演じた際には、熱中するあまり、舞台上で手首を骨折していたことにも気づかなかったほどだというが、興味のあるものに対する情熱の注ぎ方は、27歳となった今も変わらないように感じられる。それゆえ、本作では妖精役を演じるためのスタントにも果敢に挑戦。「スタントも自分でこなさなければ、役柄に感情移入することはできないわ。私にとって体は感情を表現するためのとても大切なツールなの」と語る。

 自分のなかに湧き上がる思いをストレートに表現する姿勢は、恋愛においても同じ。すでに自身のセクシュアリティについてカミングアウトしているカーラだが、今年の6月には女優のアシュレイ・ベンソンとの交際を堂々と宣言した。そして、現在はメンタルヘルスやLGBTQの権利、環境問題といった分野についての情報発信も積極的に行っている。

「一つの人格に定められてしまう現状を打ち壊したいと思っているの。私の行いはその後からついてくることであって、まずはありのままの私を認めてほしい」と言い切り、様々な選択肢や多様性が認められるべきだと主張。そんな彼女は今年だけでも、LGBTQの若者の自殺撲滅を掲げる慈善団体「ザ・トレヴァー・プロジェクト」や発展途上国における女性のリーダーシップを提唱する団体「ガール・アップ」から活動に対する貢献度が認められ、表彰されている。「凝り固まっている性別に対する意識を破壊したい」と訴えるカーラの生き方に、多くの人が勇気をもらっているはずだ。

 仕事の順調さと比例するように、プライベートも充実。本当の愛が何かを教えてくれたという恋人の存在はもちろんだが、それぞれに成長した家族ともほどよい距離感を保ちながら良好な関係を築いていると話す。「今まで怖じ気づいたことはないの?」という質問に対しても、「怖じ気づくことは、時間の無駄よ」と力強く答えるカーラ。公私ともにさらなるエネルギーを蓄えていく彼女が、これからも新たな時代のアイコンとして進化し続け、私たちに刺激を与え続けてくれることは間違いないだろう。

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(c)marie claire style/interview: Julia Felsenthal / text: Masami Shimura / translation: Junko Nakaniwa / photo: Thomas Whiteside / fashion editor: J. ERRICO / hair: Mara Roszak〈STARWORKS ARTISTS〉 / make-up: Kate Sinnott 〈WALL GROUP〉 / manicure: Thuy Nguyen for Dior 〈STARWORKS ARTISTS〉 / production: Joy Asbury Productions / make-up: Dior Capture Dreamskin Care & Perfect,Dior Forever Skin Glow in #2N,Dior Addict Stellar Shine Lipstick in #869 Superstitious.hair: Herbal Essences Tousle Me Softly Tousling Mousse.(Dior / Parfums Christian Dior)