【10月31日 marie claire style】今年9月、中国へツアーに行きました。いつもどこかへ行くと、現地のタクシーやオーガナイザーのカーステレオから聴こえてくる音楽で、なんとなくその国の空気感を感じます。今回は、上海・杭州・武漢・長沙の4都市を巡りました。膨大な人口と急速な経済成長によって目覚ましい変化を続ける中国。車では終始、ふだんあまり聴かないような、いかつい感じの曲が流れていたのですが、広い道路でケタ違いに大きな建物などを横目に聴いていると、不思議と納得感があって新鮮に響きました。ロシアとの距離感が近いことや、中東との境目に住む人たちはアイデンティティも隣国と混ざり合っていること、県によってまったく違う言語が存在することなど、日本語が堪能な同世代のDJから、ツアー中いろいろな話を聞きました。

  彼が選曲する曲も、さまざまなストーリーを聞くとこの場所にすごく似合っている気がして、視野が広がりました。「中国では今どんな音楽が流行っているの?」と聞くと、「一般的には、やっぱり今はヒップホップ。あとはみんな、エモいのが好きかも」とのこと。エモいとは、心の琴線に触れるということ。世界共通のエモーションを、音楽で見つけたいです。

■PICK UP !/中国で発見、自分の視野を広げた音楽
・Summer of Haze『PACIFICA』(アルバム)
一緒にツアーを回ったDJが、「ダサいのに、すごくエモい音楽」と教えてくれたロシア人のトラックメーカー。2018年リリースの作品ですが、90年代のトランス、ダンスミュージックで多用されていた音色のみを使っていて、その制限を逆手にとったような秀逸な音楽性に驚きました。

・Lazy Flow「The Batucada Ha( Original Mix)」(シングル)
文中に記している、中国で聴いた「いかつい音楽」の一つがこれでした。果てしなく続く駅のロビーや、日本では考えられない規模の建物、さまざまな文化が混ざり合い、把握しきれないようなサイズ感とエネルギーを感じながら聴いて、そのとき妙に響いた楽曲です。

■プロフィール
マイカ・ルブテ(Maika Loubté)
SW、トラックメーカー、DJ。日本人の母とフランス人の父の間に生まれ、10代まで日本・パリ・香港で過ごす。ポップスとエレクトロニクスを融合させたスタイルで、国内外で音楽活動を行う。2019年7月、アルバム『Closer』をリリース。agnès b.、Mercedes-Benz、STÜSSY WOMEN、Gapなどのブランドとのコラボレーションも行う。

■関連情報
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(c)marie claire style/selection, text, photo: Maika Loubté