【9月12日 marie claire style】 シャンゼリゼは、コンコルド広場から凱旋門に向う坂を登る、とても幅の広い大通り。凱旋門からは12本の道路が、放射状に広がっている。

 コンコルド広場からロンポアン迄は、マロニエの木に被われ、グラン・パレ、三ツ星レストランのルドワイヤン、パヴィヨン・ガブリエル、ロンポアン劇場などがある。グラン・パレは、ガラスの屋根から自然光が入る大きな空間、沢山のエクスポジションが開かれ、シャネルのデフィレが、長年に渡り行なわれている。

ロンポアンから凱旋門の間は、沢山のブチックが軒を並べ、ブッラスリーは、とても幅の広い歩道にテーブルと椅子を持ち出し、様々な国籍の人々が、飲み物を飲み食事をしている。

 ポール、ラデュレ、ピエール・エルメ等の、パン屋とお菓子屋もある。昔からあるドラッグ・ストアが新しく改装され、ジョエル・ロブションの一つ星レストラン、アトリエ・ ロブションが開店した。

 新しいブチィックが沢山でき、70年代に創設したレコード店のヴァージンメガストアが、閉店になってしまった。私は度々レコードを買いに行った事を思い出し、時は変わり行くのだなー!と思った。が、一時消滅していた33回転のヴィニールのレコードが新たに作られ、フナックで売り出された。

 ヴァージンメガストアの後には、老舗デパートのギャラリー・ラファイエットが、30年代のアール・デコの建物の中に、デンマーク人の建築家ビアルケ・アンジェリスによって造られ、斬新な空間のシャンゼリゼ店をオープンした。最新のファッション・ブランドが並び、とてもお洒落で、コンセプトストアのようだ。以前、サントノーレ通りにあったコレットという、ブティックを思い出した。

 そして、アップルストア、アディダス、ブルガリ等、つぎつぎにオープンしている。ナイキは、以前からあるブティックから少し離れたところに、この冬新たなブティックをオープンするそうだ。

 トランクとスーツケースを造るルイ・ヴイトンは、1910年代にシャンゼリゼ大通りに開店した。現在もブティックがあり、新しい装飾の施されたブチックは、いつも沢山の人で賑わい、表には行列ができている。

 ディオールは、モンテーニュ大通りの改装のために、仮のブチィックをシャンゼリゼ大通りに開設した。シャネル、エンポリオ・アルマニ、カルチェ、ゲラン、ティファニー、ラコステ、オメガ、ロンシャン、J.Mウエストン、プチバトー、ディズニーストア、フナック、フットボールのパリ・サンジェルマン等のブティックがある。そして、アーケードが沢山あり、中にはカフェ、ブティック等が並んでいる。

 フランスでは、ジレージョーンヌ(黄色いベスト)のデモが、長い間続いていたが、初めの頃は凱旋門に集結し、シャンゼリゼを練り歩いていた。デモは次第に過激になり、今年の3月にはブラッスリー・フーケッツを破壊し火を点け、大きな被害を出した。そして、この時キオスクも燃やされ炎上したのを、私はテレビの中継放送で見ていた。

 その後、シャンゼリゼをデモすることは禁止になり、フーケッツは改修工事を行い、営業を再開した。ここの料理はとても美味しく、私は時々食べに行く。そして、ここのクロッククムッシュは、絶品!

 映画のセザール賞は、彫刻家のセザール・バルダッチーニに因んで名付けられ、彼の創作したトロフィーが受賞者に送られる。この時のランチとディナーは、フーケッツで行われ、沢山のセレブリテが訪れる。フーケッツの壁には、歴代のスターの写真が飾られている。新聞や雑誌を販売するキオスクが、シャンゼリゼ大通りには所々にある。以前、日本にいた時見た大好きな映画『勝手にしゃがれ』の中で、ジーン・セバーグが、シャンゼリゼ大通りを「ヘラルド・トリビューン!」と呼びかけながら歩き、新聞を売るシーンがあった。この映画の中にキオスクが見えるシーンがあり、「フランスの新聞スタンドは、お洒落だなー!」等と思いながら見ていた。そして、現在もこの新聞スタンドは、シャンゼリゼ大通りにある。ツール・ド・フランスと呼ばれる自転車レースの最終は、シャンゼリゼ大通り。

 7月14日に行われるパリ祭の式典は、凱旋門周辺に集結し、軍隊、海軍、空軍、消防隊、警察等が、シャンゼリゼ大通りを行進する。歴代の大統領は沢山の来賓と共に、コンコルド広場に作られたテントの中で、行進を迎える。

 シャンゼリゼ大通りは、パリの顔、メインストリートと言えるだろう!

■プロフィール
山崎真子(Yamazaki Mako)仏版『マリ・クレール』元ファッション・エディター、副編集長。日本の美術大学を卒業後、一般企業に就職。1968年に渡仏。テキスタイル会社に勤務後、フリーのスタイリストとして活躍する。85年「マリ・クレール アルバム」社に入社。サラ・ムーンやピーター・リンドバーグなど一流のカメラマンたちと仕事を重ね、『マリ・クレール』の黄金時代を代表する作品を創り上げた。2014年に同社を退職。現在は執筆活動に従事。

■関連情報
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(c)marie claire style/text: Mako Yamazaki