【7月25日 marie claire style】英国首相デイビッド・キャメロンの妻、サマンサ・キャメロンを覚えているだろうか?ジャージーのワンピースにテーラードジャケットで妊娠中の大きなお腹をスタイリッシュに包み、夫の選挙戦を支えていた。彼女の装いは、あくまでシンプルで知的。貴族階級出身であることとか、夫が13年ぶりに保守党政権奪取した政治家であることとか、そんな情報は一切見えない。ファッショニスタとも違う、地に足のついた「やや堅い」感じが、むしろ好ましく、記憶の端に残っていた。数年前、テレビかネッニュースで見かけたそんなビジュアルが急に蘇ってきたのは、表参道の「ヴァルカナイズ・ロドン」で見かけたワンピースがきっかけ。若くて新鮮な赤。一見ホルターネックのようなデザインながら、しどけなさや媚びとは無縁な女性像。ブランドタグをひっくり返してみると、「CEFINN(セフィン)」とそこに。最先端の流行とも距離を置き、「映え」にも興味がなさそうなデザインが気になり、調べてみたら、デザイナーはサマンサ・キャメロン。4人の子供をもち(1人は残念ながら死別)、これまた知らなかったことだけれど、高級ステーショナリーブランド「スマイソン」のクリエイティブ・ディレクターを務め、老舗ブランドのイメージの刷新に手腕を発揮したビジネスマンだったとは!

 サーネームであるキャメロンの「C」と、子たちの名前の頭文字をつなげた彼女自身のブランド「セフィン」には、忙しい毎日を送る女性たちに向けたワンピースが揃う。「女性たちよ、もっと輝きなさい」「もっとファッショナブルでないと」とお尻をたたくような服ではなく、もしかしたら自分のための時間を捻出する服。コンフォータブルな着心地で、美しいシルエット。だらしなさのすぐ近くにある素朴さとも、これみよがしにボディラインを出す緊張感とも違う1着は、朝すぐにコーディネートが決まる、夢のような時短ワンピース。節約した時間で、子供を学校に送る前に丁寧に淹れた紅茶を飲んだり、10分間のストレッチができるのだ。3人の子供を育てながら、髪を振り乱して仕事をする私。試着した後、もちろん購入。そう、あまり考え込まずに買えるプライスもさすが。突拍子もない夢ではなく、リアルを追いかける元ファーストレディのワンピース――。きっとたくさんの女性を自由に幸せにしてくれる。

■プロフィール
大草直子(Naoko Okusa)
1972年生まれ、東京都出身。大学卒業後、現・ハースト婦人画報社へ入社。雑誌の編集に携わった後、独立。ファッション誌、新聞、カタログを中心にスタイリングをこなすかたわら、イベント出演や執筆業にも精力的に取り組む。WEBマガジン「mi-mollet」のコンセプトディレクター。新媒体「AMARC」(amarclife.com)を主宰。インスタグラム@naokookusaも人気。

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(c)marie claire style/photo: Asa /Satoselection, text: Naoko Okusa