【7月25日 marie claire style】香川県高松市に少し変わった、野外博物館「四国村」があります。自然にあふれた約50,000㎡の敷地では、四季折々の植物と出会うことができ、まるで小さな森みたい。歩いているだけで心が透き通っていくかのような、とても気持ちのよい場所です。

 入ってすぐのところにある「かずら橋」。橋桁のひとつひとつの隙間が大きく、今にも靴を池に落としてしまいそうなほどなのですが、上を見上げると鮮やかな木々がまるで緑のトンネルのように私たちにかぶさってくるので、つい見とれてしまいます。

 少し進むと「小豆島農村歌舞伎舞台」があります。立派な茅葺き屋根の下が大きな舞台となっていて、趣のあるところです。今でもさまざまなイベントが行われているそう。

 他にも江戸時代から大正時代に使われていた民家や、「茶堂」「砂糖しめ小屋」「釜屋」「楮(こうぞ)蒸し小屋」「燈台」「醬油蔵」といった伝統産業施設などを四国各地から移築、復元しており、興味深い建築の数々と出会うことができます。

 ちょっとした山のような斜面を上っていくと、じゃーじゃーと水音が聞こえてきます。その音に導かれるように歩いていくと突然、大きな細長いグレーの建物が現れます。ここは安藤忠雄さんの設計した「四国村ギャラリー」という美術館。近代的なコンクリートの建築を目の前にすると、タイムスリップしたかのような気持ちになります。ピカソやボナール、香川県高松市出身の猪熊弦一郎の作品などを展示し、センスよく、こぢんまりとした居心地のよい場所です。バルコニーからは土地を生かして造成された「水景庭園」を見ることもできます。

 冒険の果てに出会ったかのような、ご褒美のようなこの美術館。私はいたく気に入ってしまいました。

■RECOMMEND/猪熊弦一郎展「私の好きなもの」
会期:~9月8日(日)
会場:公益財団法人四国民家博物館 四国村ギャラリー 
お問い合わせ先: 087-843-3111
www.shikokumura.or.jp/blog/text/inokuma_tirashi.pdf

■プロフィール
前田エマ(Emma Maeda)
1992年生まれ。東京造形大学卒業。オーストリアウィーン芸術アカデミーに留学経験を持ち、在学中より、モノづくりという観点から、雑誌のディレクション、ショーやイベント、ファッションブランドのモデルをつとめる。ほかにもエッセイ、写真、ペインティング、朗読、ナレーションなど、分野にとらわれない様々な活動が注目を集めている。Now Fashion Agency所属。

■関連情報
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(c)marie claire style/selection, text, photo: Emma Maeda