【7月25日 marie claire style】1988年、イギリス・ロンドン生まれ。舞台を中心に活動したのち、2011年に「THE HOUR 裏切りのニュース」でテレビドラマデビューを果たす。その後、16年からスタートしたNetflixドラマ「ザ・クラウン」で高く評価される。映画でも、『エベレスト 3D』や『世界一キライなあなたに』といった話題作へ次々と出演。18年には大人気シリーズ『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』に抜擢され、一躍注目を集めた。今、世界が関心を寄せる新進気鋭の女優、ヴァネッサ・カービーの素顔に迫る。

 世界的な大ヒットを記録している映画シリーズのひとつといえば、2001年の公開以来、長きにわたって愛されている『ワイルド・スピード』。しかし、激しいカーアクションとセクシーな美女たちを描写したシーンの印象が強く、男性向けの作品として敬遠してきたという女性も多いのではないだろうか。そんななか、まもなく公開されるのは、シリーズ初のスピンオフ作品『ワイルド・スピード/スーパーコンボ』。緊迫するストーリーと規格外のアクションに加え、ユーモアも織り交ぜて描かれた本作は、男女問わず、シリーズ初心者でも楽しめる映画に仕上がっている。

 今回、ドウェイン・ジョンソンとジェイソン・ステイサムという米英が誇る2大アクションスターがダブル主演を務めているが、その間で劣らぬ存在感を放っているのは、英国諜報部MI6の女性エージェント役を演じたヴァネッサ・カービー。18年の『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』に出演した際には、あのトム・クルーズを翻弄した謎の美女としても話題となった。今後、さらなる活躍が期待されている若手女優の筆頭といえるだろう。

 イギリス出身のヴァネッサは、いくつもの舞台で活躍したのち、テレビドラマや映画でも着実にキャリアを積んでいたが、なかでも注目を集めたのは、英国王室を舞台にしたNetflixドラマ「ザ・クラウン」。エリザベス女王の妹で自由奔放なマーガレット王女を見事に演じ切り、英国アカデミー賞のテレビ部門において最優秀助演女優賞を昨年受賞。エミー賞にもノミネートされ、ブレイクを果たした。

 泌尿器科の名医として知られる父親とインテリア雑誌の創始者で編集者でもあった母親のもとに生まれたヴァネッサは、映画好きの父親の影響で、演劇に興味を持つようになったという。生い立ちや経歴だけを見れば、恵まれた環境のなかで順調な道のりを歩んでいるようにも見えるが、小学校時代にはひどいいじめを経験。それが原因となり、すべてのことに対して自意識過剰な性格になってしまったと過去のインタビューで告白している。そして、その苦しみから救ってくれたのが演劇だったと話す。

 現在、戦争で被害を受けた子供たちをサポートする「War Child UK」という団体で、グローバルアンバサダーを務めているヴァネッサ。「昨年から彼らとともに取り組むことによって、子供たちの人生が毎日いい方向へと改善していくように、私の人生も変わったわ。最も絶望的な状況のなかで受けたトラウマから子供たちを救うこと、そして大人たちが引き起こした戦争によって奪われた子供時代を子供たちに返すことが目標。私はそんな子供たちやその活動を心から助けたいと思っているの」と活動に対する意欲は人一倍強い。

 ヴァネッサがいじめられていた当時、学校の教師は認識していたにもかかわらず、見て見ぬ振りをしていたというが、「つらかった経験も今では役に立つ経験」と振り返る。それゆえに、「自分には差し伸べられなかった救いの手を、自分は苦しむ子供たちに差し出したい」という思いが自然と芽生えているのかもしれない。他人の痛みを理解し、守りたいという意思こそが、彼女の内に宿る強さの秘訣といえるだろう。『ワイルド・スピード/スーパーコンボ』の劇中でも、自らの力で困難に立ち向かい、何事にも物怖じしない彼女の姿は、まさにハマり役といえる。

 そんなヴァネッサは、現場でも自分の意見をきちんと伝えることができる女性。もし、胸元を過度に強調するような演出を求められても絶対に拒否すると断言している。恵まれた立場にいて、今の時代にも助けられているところはあると付け加えたうえで、「私自身が性的な対象として撮られたくないというのがあるけれど、そういう風に女性を撮ろうとすること自体が、私たちの社会において、歪んだ女性らしさや男性らしさを生み出す悪影響となっているのよ」と訴えた。これまでのシリーズでは、露出度の高い女性たちが映し出されることも多かったが、その言葉通り、本作のヴァネッサは外見だけに頼ることなく、内面から溢れる魅力でも観客たちを虜にするだろう。

■ 映画情報
『ワイルド・スピード/スーパーコンボ』
8月2日(金)に日米同時公開

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(c)marie claire style/text: Masami Shimura/photo: (c)Jane McLeish-Kelsey/The Licensing Project/amanaimages