【5月30日 marie claire style】先日4年ぶりに訪れた京都は、昔ながらの街並みに多くの観光客が賑わっていた。伝統の中に確かな発展を感じる活気溢れた通りを歩いていると、ふと懐かしい女性の絵が目に飛び込んできた。それは創業115年を誇る「よーじや」のトレードマークだった。

  日本女性であれば誰しもが「よーじや」の商品にまつわる思い出があるだろう(私の場合は夕日の射す放課後の教室。修学旅行のお土産であるあぶらとり紙を使いながら、友人と美容のトレンドや悩みを語り合ったものだ)。しかし近年の「よーじや」は、私の記憶とはまた違った、嬉しい変貌を遂げていた。

 1904年、京都の「國枝商店」として開業した同ブランドは当時、舞台化粧道具を取り扱う店であった。その後、大正時代には歯ブラシの意を持つ"ようじ"を販売していた。"ようじ屋さん"と親しみを込めて呼ばれていたことから現在のブランド名となったのだが、80年代後半からは女性の必需品であり、次第にブランドの代名詞となるあぶらとり紙が日本中から支持されるようになった。一方、多くのお客様とコミュニケーションを取るなかで、安心して使える化粧品を作ってほしいという要望を多く受けたことから、2001年にはスキンケアの発売に至ったという。また、その歴史の長さから「よーじや」は、日本の伝統を担う役目を果たしていると私は感じているのだが、その代表といえるのが03年に誕生した皿状の口紅。赤のルーツは京都にありといわんばかりの伝統的な3色(深紅、艶紅、茜)は、世の中のリップから赤色がなくなってしまったのではと懸念された時代に誕生した。現在は肌への優しさを追求しながら処方をアップデートし、日本独自の10色の色彩を継承しているという。

 店内に足を踏み入れると国内外を問わず多くの人々が気持ちを高揚させながら商品を手に取っているのが印象的だった。私が学生だった頃は若い人が中心のイメージだったが、赤ちゃんでも使用できる洗顔用パフや肌に優しいスキンケア、日焼け止めがラインナップされたことで、どの世代でも心地よくケアができ、手元に置いておきたいブランドへとその姿を変えたのだ。

 そんな背景を踏まえて、改めて「よーじや」のコスメを手に取ってみる。私のお気に入りはやはり天然系保湿成分ヒアルロン酸を高濃度に配合した"うるおいぷらす"シリーズの化粧水と美容液。シンプルな使い心地でありながら肌に確かなうるおいとハリを感じられる。京都ホテルオークラのアメニティとして採用されている"まゆごもり"シリーズのシャンプー&コンディショナーはその名の通り、絹のように滑らかな指通りとコシのある髪が一度で叶う。

 余談だが、旅の最後に『日本書紀』にも記載が残る貴船神社を訪れた。日本中の"氣"の根源とされるこの場所は、先の台風で大きな打撃を受けて再建の真っ只中だった。しかし、それでもなお日本各地からこの地を訪れる人たちで溢れ、真新しい木材によって新たな姿へと生まれ変わっている姿に力を感じた。

 形あるものは時代やそこに生きる人たちに合わせて姿を変え、発展していく。古きものと新しきものが交差する京都で、終始そんなことを感じる旅となった。

■お問い合わせ先
よーじや/0120-40-7711

■プロフィール
小西俐舞ナタリー(Nathalie Lima Konishi)
フランス人の父を持つビューティアクティビスト。モード系美容誌編集を経て独立後、日本や海外の美容媒体をメインに、コレクション速報や取材現場で得た美容メソッドなどを中心に執筆中。レインボータウンFMのラジオ番組「Nathalie’s Beauty Talk」では第2木曜と第1土曜にフランスの最新情報などを紹介している。

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(c)marie claire style/selection, text, photo: Nathalie Lima Konishi