【3月28日 marie claire style】美容エディターとして、私が決して使わない言葉が2つある。1つ目は"アンチエイジング"。若さという一つの基準が、あたかも唯一無二のような印象を受けるからだ。年齢を重ね人は魅力を増していく、私はそう信じている。2つ目は"ダイエット"。減量、痩身こそ美容のすべてと言わんばかりの風潮には疑問を感じる。それよりも、自分らしく健康的で心地よい体をつくる方がずっといい。だから、私は"ボディメイク"という言葉を好んで使用している。

 これらの言葉を私が使わないのは、取り憑かれたように若さや減量を追い求める女性をこの呪縛から解放し、その根底にある男女間における偏見を少しでも是正できればと、考えているからだ。さらに、昨年からあるワードが私の辞書から消え去ろうとしている。それが"女性らしさ"だ。それは、先日発表された「FIVEISM ×THREE(ファイブイズム バイ スリー)」のランウェイによって決定的なものとなった。

 2018年秋に誕生したこのブランドは、「THREE」のグローバルクリエイティブディレクターを務めるRie Omoto氏がディレクションを担当。性別や年齢、国籍などの既成概念を取り払ったリミットレスな自己表現を叶えるメイクアップを提唱している。女性はもちろん、男性特有の肌質にもマッチするテクスチャー、そして発想次第で自在に様々なパーツに使えるカラーや処方設計を叶えることに成功した。なかでも〝ネイキッドコンプレクション バー〞という繰り出し式のファンデーションは、気になる箇所をカバーしながら素肌感を手にできる。さらにリフレクター&コントゥア バーは、顔に自然に生じる陰影に沿わせるようにのせれば、その人が持つ骨格を最大限に生かした奥行きのある顔立ちが完成。厚塗りから解放されたセミマットな肌は、アイカラーやチーク、そしてリップを自分色に染め上げるキャンバスとして最適だ。なお、同ブランドのカラーコレクションは、曖昧さを感じさせないディープな発色が魅力。塗り方次第でミニマルにもダイナミックにも仕上がるので、本能的に選び取った色で自分の新たな表情を探す旅に出るのもいいかもしれない。

 コレクションを見た帰り道、ふとフェミニニティ、そしてマスキュリニティはこの先一体どこに向かうのだろうという疑問が頭に浮かんだが、その発想さえもはや時代遅れであることに気がついた。持って生まれた性別"らしさ"を追求することも、社会から与えられたロールを無理に演じて自分を失う必要ももうない。ただ、自分が持つ個性や長所を、意志を持って磨き続ければいいのだ。自我とは何か、自分とは一体何者であるかという問いに悩んだ経験は、きっと誰にでもあるだろう。「FIVEISM × THREE」のアイテムは、今までにない方法でその難題に終わりを告げているかのようだった。

■お問い合わせ先
FIVEISM×THREE カスタマーサポート/0120-330-019

■プロフィール
小西俐舞ナタリー(Nathalie Lima Konishi)
フランス人の父を持つビューティアクティビスト。モード系美容誌編集を経て独立後、日本や海外の美容媒体をメインに、コレクション速報や取材現場で得た美容メソッドなどを中心に執筆中。レインボータウンFMのラジオ番組「Nathalie’s Beauty Talk」では第2木曜と第1土曜にフランスの最新情報などを紹介している。

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(c)marie claire style/selection, text, photo: Nathalie Lima Konishi