【3月14日 marie claire style】1969年5月14日、オーストラリア・メルボルン生まれ。92年にオーストラリア国立演劇学院を卒業、舞台女優としてキャリアを始める。94年に『Police Rescue』で映画デビューし、96年公開の『Paradise Road』でハリウッド進出を果たす。98年、『エリザベス』で主役を演じゴールデングローブ賞主演女優賞を受賞。アカデミー賞主演女優賞にもノミネートされ、一躍トップ・スターに。その後も大ヒットシリーズ「ロード・オブ・ザ・リング」でガラドリエル役を演じるなど、様々な作品で活躍。2013年の『ブルージャスミン』において、ゴールデングローブ賞主演女優賞、アカデミー賞主演女優賞を獲得。17年にはオーストラリア勲章第二位「Companion of the Order of Australia」を受勲。さらに進化し続けるケイト・ブランシェットの素顔に迫る。

 年齢を重ねるごとに深みと魅力が増し続けている女優ケイト・ブランシェット。舞台で鍛え上げた演技力を武器にハリウッドに進出し、その後、映画『エリザベス』のエリザベス1世役でアカデミー賞主演女優賞にノミネートされ、彼女の名は多くの人に知られるようになる。レオナルド・ディカプリオがアメリカの実業家ハワード・ヒューズを演じた『アビエイター』では大女優キャサリン・ヘップバーンを演じ、アカデミー賞助演女優賞を、そしてウディ・アレン監督の『ブルージャスミン』では、ついに主演女優賞を獲得し、ケイト・ブランシェットは名実ともにトップ女優となった。

『オーシャンズ8』のようなエンターテインメント色の強い作品から、『キャロル』のように観るものに問題提起をするような社会派の作品まで幅広く出演するケイト。挑発的でありながらどこか繊細さも感じさせる眼差し、淑女のような気品と独特のハスキーヴォイスを持つ彼女の存在感は、自身も演じたキャサリン・ヘップバーンやローレン・バコールなど、知性と美貌を兼ね備えた往年の大女優たちと重なる。女性が憧れる女性像を常に体現し続ける彼女は、グローバル・ビューティ・アンバサダーをつとめる「ジョルジオ アルマーニ」のフレグランス「シィ(Sì)」の映像の中でも濃密な色気を感じさせながら、ドラマティックで情熱的な女性を演じ、私たちを強く惹き付けた。「私はSìの顔というよりも、その精神でありたい」。映像の中で演じた役について聞かれたケイトはさらにこう続けた。「様々な感情に魂を宿らせる、その空気感を作り出すことこそすべてだわ。Sìが体現する女性は一つの感情にとどまらないの。喜び、不安、興奮、欲望、恐れや軽薄さ、そしてもちろん愛も! それは無常なものなの」

 M83やThe AvalanchesなどのMVを手がけた映像監督フルール・フォーチュンによる映像の中でケイトはアルマーニのイメージカラーである鮮烈なレッドを身にまとい、スカイダイビングで空を舞い、真っ赤なドレスで街に繰り出し、男性を誘惑し、スーパーマーケットではしゃいでいる。私たちは彼女の表情から溢れんばかりの好奇心を感じ取ることができる。「冒険心があり、感情豊かで、世界に対して心が開かれている。Sìから連想される女性はまさに私がなりたいと願う女性像よ」

『キャロル』では自身のセクシュアリティと違う同性愛者の女性を演じたケイト。そういった役柄を演じた経験からか、インタビューなどでジェンダーについての意見を問われる機会の多い彼女だが、アルマーニが提案するフェミニニティについてこう語ってくれた。「彼は女性たちの卓越した複雑さを褒め称え、エフォートレスなシックさを奨励している。長く引き継がれてきたマスキュリンさ、そして同じく伝統的なフェミニンな要素が調和し自然に合わさったもの、そんな彼の美学に私はずっとインスパイアされ続けているの」

 夫である劇作家のアンドリュー・アプトンとの間に3人の息子をもうけ、映画だけでなく舞台にも意欲的に取り組んでいるケイト。この1月から春にかけては実験的な作風で知られる鬼才マーティン・クリンプが手がける舞台に出演している。「作品のメインテーマはジェンダーにおける権力闘争よ。誰もが好むような題材ではないし、挑発的な作品になることは確かね」。演じることに飽くなき好奇心を抱き、常に挑戦し続けるケイト・ブランシェット。彼女はこれからも私たちのインスピレーションの源となり、困難にも立ち向かう気力を与えてくれるはずだ。

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(c)marie claire style/photo: Tom Murno/text: Sumire Taya