【2月20日 AFP】 カール・ラガーフェルド(Karl Lagerfeld)の「両腕」として彼を30年以上支え続けたヴィルジニー・ヴィアール(Virginie Viard)が、「シャネル(Chanel)」のクリエイティブ・ディレクターに就任した。記事全文へ

【2月20日 AFP】 カール・ラガーフェルド(Karl Lagerfeld)の「両腕」として彼を30年以上支え続けたヴィルジニー・ヴィアール(Virginie Viard)が、「シャネル(Chanel)」のクリエイティブ・ディレクターに就任した。

 シャネルは19日、「ガブリエル・シャネル(Gabrielle Chanel)とカール・ラガーフェルドの伝説が続く」ことを込めて、ラガーフェルドの死去を発表すると同時にヴィアールを指名した。

 長年スポットライトを避けてきたヴィアールは、彼女の指導者でもあったラガーフェルド自ら「私の両腕」であると認めていた。また「ネットフリックス(Netflix)」のドキュメンタリーシリーズ「7 Days Out」で、「ヴィアールは、私だけでなくアトリエにとって、全てにおいて一番重要な人物」であると語っていた。

 ヴィアールはラガーフェルドが「シャネル」を率いるようになった4年後の1987年、両親の近所に住んでいたモナコ大公レーニエ3世(Prince Rainier III)と近しい関係にあった人物の推薦により、オートクチュール刺しゅうのインターンとしてシャネルに加わった。

 シャネルのクリエイティブ・スタジオ・ディレクターとしてのラガーフェルドとの関係についてヴェアールは「お互いを補っていると思います」とし、2015年のAFPのインタビューで「彼がシャネルをどのように導きたいか理解していますが、それを説明はできない。そのような関係です」と語っていた。

「シャネル」13/14年秋冬コレクションのショーフィナーレに登場した際のカール・ラガーフェルド(2013年3月5日撮影)。(c)Patrick KOVARIK / AFP

「彼は一つのドレスに3時間もかけない。そのドレスがうまくいくかどうか、瞬時に判断できる」

 ヴィアールは2017年11月、英紙デーリー・テレグラフ(Daily Telegraph)で「彼に気に入ってもらいたいが、同時に驚かせたい」のだと述べている。

 先月22日に開催されたシャネルのパリ・オートクチュールショーをラガーフェルドが欠席した際、ブランドは「疲れ」で欠席したと説明し、ヴィアールが代わりにショーのフィナーレに登場した。またシャネルはその際、「ヴィルジニー・ヴィアールとシャネルのイメージ・ディレクターのエリック・フランダー(Eric Pfrunder)は、カール・ラガーフェルドと共にコレクションをフォローアップ、ブランドのキャンペーンを続けていく」と発表していた。

 これを受け、「皇帝」として知られ、ファッション界のこの半世紀をリードし続けてきたカールが退くのではないかと噂された。

 11月に開催されたパリでのショーでラガーフェルドは、ブランドの影のヒロインであるヴィアールに、長年のサポートに感謝を述べた。

 スリムな黒のパンツにジャケット姿で知られるヴィアールは、「長く続くファッション」そして「実際に流行しているわけではない服」が好きだという。ココ・シャネルの有名な格言「流行は変化していくもの。だけどスタイルは永遠」に通ずるものがあり、新しい役職に就くにあたりピッタリな言葉と言える。

 ヴィアールに与えられた厳しい試練の結果は3月5日、パリで開催されるシャネルの19/20年秋冬コレクションで披露される。(c)AFP/Olga NEDBAEVA

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