<art>第16回 山のむこうと、山のなかと。山形ビエンナーレ
【10月25日 marie claire style】こちらのポスターの頰杖をつく女の子、私です。今年3回目を迎える「山形ビエンナーレ」のメインビジュアルのモデルを務めさせていただきました。
東日本大震災をきっかけに始まった、このアートのお祭り。「アートをきっかけにして東北の人々が繫がり、この土地の面白さを再発見しよう」という想いから、2年に一度開催されてきました。
現在、日本ではビエンナーレやトリエンナーレといった芸術祭がありとあらゆる場所で行われていますが、それには国や地域の偉い人を説得したうえでの、莫大なお金がかけられています。
山形ビエンナーレは「コンパクトでいいから、自分たちもどうにか芸術祭をやれないかな?」ということでスタートし、山形にある美術大学「東北芸術工科大学」が中心となって運営されています。
会場となっているのは国の重要文化財「文翔館」とその周辺のお店、そして東北芸術工科大学です。芸術祭は大学の学生と地元のボランティアによって支えられています。
芸術監督は山形出身の絵本作家、荒井良二さん。参加アーティストは日本人ばかり。デザイナーやフードコーディネーター、本屋の店主など、いわゆるアーティストと呼ばれるような人は少ないかもしれません。
でも今、面白くて新しいことをしようとしている比較的若い"アーティスト"の制作する姿を間近で見ること、そして聴くことができるというのは、学生にとってとても貴重なことだなあと思います(だって美大って東京にあっても、教授はおじいちゃんばっかりなんだもん!)
地方芸術祭の魅力は、アーティストが地域の人の話を聴いたり、歴史を調べたり、郷土料理や民芸品に魅せられたり・・・そういったところから制作が進み、自分の世界を超えるところだと思います。
■Recommend/リー・キット「僕らはもっと繊細だった。」
会期:~2018.12.24(月)
会場:原美術館
お問い合わせ先:03-3445-0651
www.haramuseum.or.jp/
■プロフィール
前田エマ(Emma Maeda)
1992年生まれ。東京造形大学卒業。オーストリアウィーン芸術アカデミーに留学経験を持ち、在学中より、モノづくりという観点から、雑誌のディレクション、ショーやイベント、ファッションブランドのモデルをつとめる。ほかにもエッセイ、写真、ペインティング、朗読、ナレーションなど、分野にとらわれない様々な活動が注目を集めている。Now Fashion Agency所属。
■関連情報
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(c)marie claire style/selection, text, photo: Emma Maeda