<RENCONTRES>第10回 tupera tupera Tatsuya Kameyama × Atsuko Nakagawa

【9月13日 marie claire style】「tupera tupera/ツペラ ツペラ」というのは、『しろくまのパンツ』や『パンダ銭湯』などのユニークな絵本作家として知られる亀山達矢さんと中川敦子さんのユニット名だ。すでに台湾など海外13ヵ国で翻訳されていて、目下、「ぼくとわたしとみんなのtupera tupera 絵本の世界展」の巡回は、最終的には全国6美術館になるというから、その人気のほどが分かる。
取材の朝にやってきたふたりのアーティストは、クリエーター特有の尖った雰囲気というよりは、むしろフリースタイルの生活を楽しんでいるような印象で、その日もインタビューの場所に、10歳と6歳のふたりの子供たちを連れてきていた。
「tupera tupera」の名前の由来を、まず訊いてみる。
「ふたりで仕事をするようになってから、これは屋号をつけなければいけない、と思いました。ともかく、これまできいたことのないような語句で、いわばおまじないみたいなものがいいな、と。それで思いついたのです」(中川)
どうやら意味はあまりないらしい。
──最近は絵本だけでなく、細田守監督の新作『未来のミライ』にも参加されたそうですね。
「ええ。2年前に監督から連絡があり、映画の中に出てくる絵本を担当しました。映画のクライマックスのキーポイントとなる駅長と遺失物係のキャラクターデザインも担当しています」(亀山)
それを補足するように、今度は中川さんが「私たちは積極的に自分たちから何か提案したりはしません。思いもつかなかったような依頼がくるのを、むしろ楽しんでいます」。
そういうところから、絵本のみならず様々なプロダクトが生まれたのだろう。
──ところでおふたりの役割分担はどうなっているのですか。
「ふたりとも、絵を描くのが好きですが、べつだん役割は決めていません。お互いのアイディアを交換しながら、創り上げています」(亀山)
「私はテキスタイルをやっていて、彼はグラフィックをしていました。だから一緒にものを創るようになるとは、思ってもいなかったのです。予備校で会ったときは・・・」(中川)
ふたりは最近京都に移住し、地元の人たちとよく交流しているという。
絵本ができたら、おふたりのお子さんたちが最初の読者ですか、と訊くと、父親の亀山さんが「子供たちは僕らがやっていることに、あまり興味がありませんよ」といって苦笑。
今はアニメのキャラクターだけが黄金時代かと思っていたが、どうやら絵本の世界も独自の進化を遂げて、子供たちだけでなく大人も巻き込んでいるようだ。
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(c)marie claire style/photo: WATARU YONEDA / location: The Foreign Correspondents’Club of Japan/text: Kasumiko Murakami