【4月11日 marie claire style】美大へ行きたい! と進路を決めた私ですが、デッサンやドローイングの実力は美術予備校の中では下の方でした。浪人する覚悟も持ち合わせていなかった私は、現役合格しなくては・・・と思い、「自己推薦入試」という自分のことをアピールしまくる試験を受けることにしました。多くの場合、この試験を受けるとすると、夏休み前から志望する学科の教授のところへ行って面談をしていただいたりするようです。

 しかし私が決断したのは願書提出の3日前。私は人より秀でた実績もないし、美術系の高校へも通っていません。表現したいことも描きたいものもありません。ですが、両親が美術関係の仕事をしているので、アートに触れてきた時間だけは多い。そこを大いにアピールするしか勝ち目はない! そこで私は「前田エマ・私の美術史」というタイトルをつけたポートフォリオを提出しました。今まで体験し観てきた芸術祭や美術館で撮った写真と、そういったものに影響を受けて制作した作品や感想文のようなものを対にして載せました。このとき真似したものがアーティスト・森村泰昌さんの『まねぶ美術史』です。

 本を開くと左には「影響を受けた作品」、右には「森村が真似した作品」が掲載されています。クレーやカンディンスキーなどアートの世界じゃ有名すぎる作家の作品たちを、森村さんが真似して描いてみたり作ってみたりしています。森村さんの代表作は、名画や俳優などに自身が扮してポートレートを撮るシリーズ。

 真似することって否定的に捉えられがちですが、「学ぶことは真似すること。それを極めた先に自分の表現と出会えるのかもしれない!」と私は胸が高鳴りました。「まねぶ」は今でも私のモットーです。

■Recommend/「ハロー・ワールドポスト・ヒューマン時代に向けて」
会期:〜5月6日(日)
会場:水戸芸術館現代美術ギャラリー
お問い合わせ先:029-227-8111
公式HP:www.arttowermito.or.jp

■プロフィール
前田エマ(Emma Maeda)
1992年生まれ。東京造形大学卒業。オーストリアウィーン芸術アカデミーに留学経験を持ち、在学中より、モノづくりという観点から、雑誌のディレクション、ショーやイベント、ファッションブランドのモデルをつとめる。ほかにもエッセイ、写真、ペインティング、朗読、ナレーションなど、分野にとらわれない様々な活動が注目を集めている。Now Fashion Agency所属。

■関連情報
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(c)marie claire style/selection, text, photo: Emma Maeda