【7月31日 marie claire style】鮮烈なデビューを果たした1980年代から現在に至るまで、常にエンターテインメント界のトップを走り続けてきたマドンナ(Madonna)。シンガー・ソングライター、女優、映画監督、ファッションデザイナー、作家とその活躍は多岐にわたり、今年はスキンケアブランド「MDNA SKIN(エムディーエヌエースキン)」をプロデュースしたことでも話題となった。世代を超えて世界中で愛されるスーパースター、マドンナの素顔に迫る。

 マイリー・サイラス(Miley Cyrus)よりも、レディー・ガガ(Lady Gaga)よりも先に、この人はいた。そして、彼女が30年以上にわたってやり続けてきたことは、決して、ただのお騒がせではない。叩かれても気にせず、時代の一歩先を行き、世の中に影響を与えてきたのが、マドンナなのだ。

 ダンスの奨学金で入学したミシガン大学を中退し、バスに乗ってニューヨークに向かったのは、1978年のこと。引っ越した最初の年に、ビルの屋上でレイプされるという悲劇に遭うが、その怒りは性を自分でコントロールしたいという欲望となり、アーティストとしての彼女にひとつの方向性を与えることになる。

 タイトルからして挑発的な作品「ライク・ア・ヴァージン」でセックスシンボルとなった彼女は、92年、ヌード写真集『SEX』を出版。発売3日で初版150万部が売り切れる社会現象を巻き起こした一方で、その過激さに、「やりすぎだ」というバッシングもあった。

 しかし、過激さと大胆さは、その後も続く。2003年にはMTVビデオミュージックアワードの授賞式で、ブリトニー・スピアーズ(Britney Spears)とクリスティーナ・アギレラ(Christina Aguilera)にキスをして世間を驚かせ、06年のコンサートツアーでは、高さ6mの十字架に自らを磔にし、宗教関係者を激怒させた。そのツアーで、マドンナはまた、自分がケガをした時に撮ったレントゲン写真をスクリーンに映し出すという演出も行っている。

 しかし、『TIME』誌から「過去1世紀に最も影響を与えた女性」のひとりに選ばれたのは、中身があってこそだ。アシュタンガヨガ、マクロビオティック、カバラ(ユダヤ教思想の一種)など、当時の一般人に耳新しかったことでも、「マドンナがやっている」という理由で、あっというまに有名になった。キャリアの幅も広く、女優として、これまでに20本近い映画に出演。近年は監督業にも進出した。03年には『イングリッシュ ローズィズ』で児童書作家としてデビューを果たす。カバラの教えのメッセージをもつストーリーで、ほかにも5冊が出版された。だが、これらの分野での評価は、間違っても高いとはいえない。

 ファッション界にも進出している。「H&M」から出た限定コレクションでデザイナーの仕事を少し味わった後、長女ローデス(Lourdes)とティーンエイジャー向けのファッションブランド「マテリアル・ガール(Material Girl)」をスタート。「仕事をしている時、私は彼女をクリエイティブなアーティストとして見ているわ」と、娘とのコラボレーションを楽しんでいるようだ。そして今年は、彼女が日本の化粧品メーカーと共同で開発したスキンケアブランド「MDNA SKIN」がお披露目された。現在は日本のみの販売だが、近い将来、アジアや欧米にも進出を狙っているという。

 来月で、56歳。実の子2人、養子2人を育てるシングルマザーながら、今もそのボディは完璧な筋肉美を誇る。一昨年にはスーパーボウルのハーフタイムショーで圧巻のパフォーマンスを見せ、その直後に出た最新のアルバム「MDNA」も大ヒットさせた。2人目の夫ガイ・リッチー(Guy Ritchie)との別れに触れる歌詞が多いことから、『ローリングストーン』誌は、「MDNA」を“離婚アルバム”とも呼んでいる。辛い体験もバネにして、新しいことを生み出す。そのたくましさこそが、彼女の原点なのだ。

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(c)marie claire style/photo: Tom Munro,management & artist,amanaimages,text: Yuki Saruwatari