【1月8日 MODE PRESS WATCH】大人の男女の恋愛を描き続ける直木賞作家、井上荒野の同名作品を恋愛映画に定評のある行定勲(Isao Yukisada)監督が完全映画化した作品「つやのよる」が1月26日から全国ロードショーになる。これに先駆け8日、東京・新宿で完成披露試写会が開催され、行定監督と主演の阿部寛(Hiroshi Abe)をはじめとする豪華出演女優らが登場した。

 一見平穏な生活を送る何組かのカップルと家族の身に起きた、謎の女“艶(Tsuya)”が投じた小さな石に始まる数々の出来事。艶とその夫、松生(Matsuo)を取り囲む5組の男女は、突然自分たちの人生に割り込んできた艶という存在に翻弄される。底知れず深くもどこか儚い愛の物語は、センセーショナルかつ既成概念を覆すようなストーリー展開。ところどころに盛り込んだ、独特の笑いとユーモアのセンスは、観る者の年齢性別問わず楽しませてくれる。

 「男性の頼りなさげでいて、かわいらしい姿の一方で、どんどん強く輝きを増す女性の姿を、目の当たりにする作品に仕上がっています」と主演の阿部寛が語るように、愛人役の荻野目慶子(Keiko Oginome)とつかみ合いのケンカを繰り広げる本妻役の小泉今日子(Kyoko Koizumi)や、艶と駆け落ちするために自分のもとから離れていった夫・松生役の阿部寛を10年以上の時が経ったいまもなお、温かく見守る元妻役の大竹しのぶ(Shinobu Otake)。ほかにも、風吹ジュン(Jun Fubuki)や真木ようこ(Yoko Maki)、野波麻帆(Maho Nonami)、忽那汐里(Shiori Kutsuna)らが演じる役どころも、一筋縄ではいかない現代女性を象徴している。 見終わった後に、女性は女性同士で、男性は男性同士で積もる話に花が咲きそうだ。男女で鑑賞すると、後味の悪さが映画鑑賞後の二人の間に漂うこと間違いなし。(c)MODE PRESS

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