【10月4日 AFP】競売大手クリスティーズ(Christie's)は3日、世界で最も歴史あるダイヤモンドの1つ、「アーチデューク・ヨーゼフ(Archduke Joseph)」を来月スイス・ジュネーブ(Geneva)で行われるオークションに出品すると発表した。落札価格は1500万ドル(約12億円)を大幅に超えると予想されている。

 クリスティーズの担当者によれば、このダイヤは76.02カラット、純粋無色のDカラーで、一点の曇りもない透明度を誇る。ドミノゲームの牌(はい)と同程度の大きさをしたクッション型にカットされ、厚さは1.5センチある。10月13日からニューヨーク(New York)、香港(Hong Kong)、ジュネーブで展示された後、11月13日にオークションにかけられる。

 クリスティーズが「今秋の宝石オークションシーズンの目玉」と太鼓判を押すこのダイヤは、多くの有名な宝石を産出しているインドのゴルコンダ(Golconda)で採掘されたという。現在では閉鎖されているゴルコンダの鉱山からは、ロンドン塔(Tower of London)で保管されている英王室の王冠を飾る「コーイヌール(Koh-i-Noor)」や、旧フランス王室のコレクションのうち最も洗練されたダイヤと言われ、現在はパリ(Paris)のルーブル美術館(Louvre Museum)が所蔵している「レジャン(Regent)」が採掘された。

 クリスティーズが「アーチデューク・ヨーゼフ」をオークションにかけるのは来月が2度目。1993年に同じくジュネーブで出品された当時は650万ドルで落札された。

 このダイヤはオーストリアのヨーゼフ・アウグスト大公(Archduke Joseph August of Austria、1872~1962年)が所有していたもので、1933年にその息子ヨーゼフ・フランツ(Archduke Joseph Francis of Austria)によってハンガリーの銀行の金庫に入れられた。3年後に身元不詳の個人に売却され、第2次世界大戦中はナチス・ドイツ(Nazis)の目を逃れるために金庫で保管された。

 その後、長い時を経て1961年にロンドン(London)で行われたオークションに出品された。1993年にクリスティーズの競売で売却されて以降は個人の手を転々としてきたが、現在の所有者についての情報は公表されていない。(c)AFP