【パリ 3日 AFP】(一部更新)07/08年秋冬パリ・オートクチュールコレクションの開幕を飾って2日、クリスチャン・ディオール(Christian Dior)の新作オートクチュールショーとブランド創立60周年の記念パーティーがパリ郊外のベルサイユ(Versailles)宮殿で開かれた。季節外れの悪天候にもかかわらず、会場には1000人以上のゲストが駆け付け、豪華なショーと夜明けまで続いたお祭り騒ぎのようなパーティーを楽しんだ。

■偉大な画家たちへのオマージュ

 今回ジョン・ガリアーノ(John Galliano)がテーマにしたのは、彼の人生に影響を与えた芸術家たち。レンブラント(Rembrandt)、ピカソ(Picasso)、モネ(Monet)、ルノワール(Renoir)、サージェント(Sargent)、ゲインズバラ(Gainsborough)、ゴヤ(Goya)、ベラスケス(Velazquez)…。その誰もが、西洋美術史に名を残した偉大な画家たちだ。  ピエロ風の作品がピカソの初期の作品を偲ばせる一方で、紫のロングドレスとコルセットはティエポロ(Tiepolo)への敬意を感じさせ、シャンティレースとマンティラ(スペインやメキシコで女性がかぶるスカーフ)はゴヤの絵画を思い出させる。

■豪華モデル勢が溢れるステージ

 オープニングでは、腰のくびれを強調しせた「ニュールック」のスーツに身を包んだモデルのジゼル・ブンチェン(Gisele Bundchen)が登場した。ディオール初期の香水の宣伝を担当したグリュオ(Gruau)は、ウエストに優美なドレープのバラが施された白のロングドレスを披露した。  ステージには、ナオミ・キャンベル(Naomi Campbell)やリンダ・エヴァンジェリスタ(Linda Evangelista)、ステラ・テナント(Stella Tennant)ら、過去、現在を問わず活躍するスーパーモデルたちが溢れるように登場した。

 会場内には女優のモニカ・ベルッチ(Monica Bellucci)、シャーリーズ・セロン(Charlize Theron)、ジュリエット・ビノシュ(Juliette Binoche)と並んで、映画監督のペドロ・アルモドバル(Pedro Almodovar)やニコール・ガルシア(Nicole Garcia)、ベテランデザイナーのピエール・カルダン(Pierre Cardin)らの姿が。

 自身のデザイナー就任10年間を祝って、ガリアーノ自身はブルーにゴールドの刺繍が施されたゴージャスな宮廷スタイルの衣装で登場した。

■急逝した相棒に捧げるコレクション

 彼はこのコレクションを、自分の右腕として21年間活躍したスティーブン・ロビンソン(Steven Robinson)に捧げた。スティーブンは今年4月に38歳の若さで突然この世を去った。スティーブンは「クリスチャン・ディオールの巨大なエンジンであり、ガリアーノとディオールの良き理解者」そして、全てを成功させる男」として語られる人物だった。(c)AFP/FRANCOIS GUILLOT