地雷爆発事故の推定地点を示す地図を見るカン・シンチョル国防相=2026年9月29日、国会国防委員会(c)news1
地雷爆発事故の推定地点を示す地図を見るカン・シンチョル国防相=2026年9月29日、国会国防委員会(c)news1

【10月26日 KOREA WAVE】韓国政府は10月23日、非武装地帯(DMZ)での地雷爆発により韓国軍兵士が負傷してから約1カ月を経て、北朝鮮に軍事当局者会談を提案した。2025年11月の提案と同様、双方の認識が異なる軍事境界線(MDL)の再画定や、軍通信線の復旧を協議する狙いだ。一方、北朝鮮はMDLを「国境線」として固定し、南北間の接触そのものを断つ姿勢を強めている。

全長約250キロのMDLは1953年の確定から70年以上が過ぎ、位置が不明瞭になった。韓国、北朝鮮、国連軍司令部がそれぞれ異なる線を認識し、新たな対立要因となっている。

地雷爆発後、韓国政府は「相応の措置」を取ると表明した。野党などからは対北朝鮮拡声器放送の再開を求める声が上がったが、カン・シンチョル(姜信哲)国防相は「本当に相手に効果があるのか、考え直す必要がある」と慎重な姿勢を示した。チン・ヨンスン合同参謀本部議長も同様の認識だった。韓国軍は代わりに、現場に残された北朝鮮軍の地雷を爆破処理。10月8日には初の極超音速滑空体(HGV)の試験発射を公表し、「朝鮮半島の戦場で主要標的を打撃する準備が整った」と警告した。

韓国軍は20日から、DMZで監視・偵察や捜索路の開拓などを強化する「主導権強化作戦」に入った。北朝鮮に対応の機会を与えないため、具体的な内容は非公表としている。政府は国連安全保障理事会議長にも、北朝鮮の責任を問い、謝罪を求める書簡を送った。軍事・外交両面で圧力をかけながら対話を提案し、平和的解決を目指す立場を示す戦略だ。

これに対し北朝鮮は、韓国との関わりを遮断する方針を続けている。2023年12月に南北関係を「敵対する二つの国家」と規定して以降、MDL北側で地雷敷設、防壁設置、戦術道路の新設を進めてきた。キム・ヨジョン(金与正)党総務部長は10月21日、前線の要塞化工事現場を訪れたと明かし、「国境が恒久化すれば、この地域の軍事衝突の危険は解消される」と主張。翌22日も、要塞化によって衝突リスクが大幅に低下すると述べた。物理的な断絶を徹底すれば対立の原因を取り除けるという、工事を正当化する論理とみられる。

韓国軍は工事が2028年ごろに完了するとみているが、北朝鮮の強硬姿勢から前倒しの可能性も指摘される。高さ2メートルを超えるコンクリート壁や三重の電気柵、100万発以上とみられる地雷による要塞化が進み、対話提案を受け入れる可能性は低いとの見方が出ている。元国防省対北朝鮮政策官で慶南大学招聘教授のチョ・ヨングン氏は、北朝鮮が前線指揮官に韓国への敵対意識を強めさせている中、対話への転換は「路線の混乱や自己否定と受け止められかねない」と指摘した。

専門家は、中ロとの関係を深め、韓国との接触を事実上拒む北朝鮮に対し、従来の「対立から対話へ」という緊張緩和の方式は機能しにくくなったとみる。チョ・ヨングン氏は、過去には軍当局間の連絡経路が緊張緩和につながったが、現在は環境が根本的に変わったと説明。韓国も政権交代に左右されない一貫したメッセージを発し、北朝鮮に順守を求められる秩序の構築から、新たな朝鮮半島戦略を立てるべきだと提言した。

(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News