韓国の超伝導研究、電気抵抗ゼロの原因は「応力」と提唱…115年来の問題に新理論
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【09月29日 KOREA WAVE】韓国出身で米ウィリアム・アンド・メアリー大学のキム・ヒョンタク研究教授は27日、超伝導体で電気抵抗がゼロとなり、電流が流れ続ける現象について、物質の構造的な対称性を崩す「せん断応力」が原因だとする理論を発表した。研究成果は国際学術誌「Journal of Experimental and Theoretical Physics」に掲載されたという。
韓国メガ・ニュース(MEGA News)のパク・ヒボム記者の取材によると、超伝導体では、外部から電圧を加えなくても電流が流れる自発的超電流が生じる。キム氏は、物質の構造的な対称性の破れが超電流を生み出し、その対称性を崩すせん断応力が超伝導の原因だと説明している。
キム氏によると、金属が臨界温度を下回ると、それまでの対称的な原子構造がゆがみ、電子構造も電荷密度波(CDW)構造へ変化する。この状態では電子が一様に分布せず、二つの電子が対をつくる「バイポーラロン」が形成されるという。
キム氏は、多数の電子対が隣接する電子対の位置へエネルギーを失わずにトンネル効果によって移動することで、自発的な超電流が発生すると説明している。1911年にオランダのカメルリング・オンネスが水銀の超伝導を発見して以来、電気抵抗がゼロになる仕組みは十分に解明されていないとし、自らの理論がその説明になると主張した。
超伝導を説明する代表的な理論には、1957年に提唱されたBCS理論がある。電子が「クーパー対」を形成し、多数の電子対が秩序だった量子状態になることで、電気抵抗のない状態が生じると説明する。一方、キム氏はBCS理論について、低温での超伝導も十分には説明できないとの見解を示した。
今回の研究では、超伝導体に流す電流の方向によって臨界電流が異なる「超伝導ダイオード効果」についても、構造的な対称性の破れとの関係を論じた。臨界電流とは、超伝導状態を維持できる最大の電流を指す。
キム氏は、構造の非対称性によって損失のない自発的な超電流が生じ、それが電流の方向によって異なる輸送特性につながる可能性があると説明した。論文では、外部磁場がない状態で超伝導ダイオード効果が現れる例として、小さなねじれ角を持つ3層グラフェンで、互いに反対方向の臨界電流に大きな差が生じる現象を挙げた。
さらにキム氏は、通常の金属では格子点に働く力の合計がゼロになるのに対し、低温の超伝導状態では構造がゆがみ、力の均衡が崩れると説明。このとき生じる応力が「超伝導現象の根本原因だ」としている。
キム氏は「超伝導状態で電流の方向性を制御できれば、従来の半導体ダイオードとは異なる整流素子や超伝導回路への活用が可能になる」と述べた。
(c)KOREA WAVE/AFPBB News