ソウル地方兵務庁第1兵役判定検査場=写真は記事の内容とは関係ありません(c)news1
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【01月09日 KOREA WAVE】韓国で2025年末、部隊配属後に初めての休暇を取っていた陸軍一等兵が、ソウル・漢江で遺体となって発見された。入隊からわずか4カ月後の出来事だった。本人は周囲に自傷行為を打ち明けるなど、たびたび「危険信号」を発していたが、死を防ぐことはできなかった。

陸軍によると、同年12月22日、陸軍第22師団所属の一等兵(21)が、ソウル市松坡区の蚕室大橋付近で死亡しているのが見つかった。状況から、休暇初日だった12月8日に自殺したとみられている。部隊に配属されてから2カ月足らずだった。

危険信号は入隊直後から表れていた。一等兵は入隊前に精神疾患の診断や治療歴はなく、身体検査でも現役1級と判定されていた。しかし、2025年8月に大邱の陸軍第50師団新兵教育隊に入所後、うつ病と診断され、服薬を始めた。

遺族や周囲の証言によると、異変は同年10月の部隊配属後にさらに深刻化した。配属直後の定期心理検査では4段階中3段階の「注意」判定を受けた。これは「良好」「追加確認」「注意」「関心」の4段階のうち、危険性が高い水準に当たる。

自傷行為もあった。精神的苦痛や自傷の事実を大学時代の同級生に伝え、自殺をほのめかす発言もしていた。入隊前は吸わなかったたばこを、1日1箱以上吸うようになったという。本人の交流サイト(SNS)履歴には、11月から約1カ月間に自殺関連動画を数十件検索していた記録が残っていた。

これは自殺直前によく見られる典型的な兆候だ。保健福祉省傘下の韓国生命尊重希望財団は、自殺の危険兆候を「言語」「行動」「感情」の変化に分類しており、死について頻繁に語ったり、自殺を示唆したりする行為は重大な警告とされる。

それにもかかわらず、陸軍は一等兵の状態を「自殺高危険群」としては認識していなかったとみられる。入隊後にうつ病と診断され「支援兵士」に分類されてはいたが、複数回の面談や外部治療で管理可能と判断していた。

陸軍本部の資料によると、一等兵は新兵教育隊在籍中、民間病院の精神科でうつ病と診断され、1カ月間に2回治療を受けた。部隊配属後も2カ月間に3回、民間精神科の診療を受けていた。

それでも指揮部は、現役服務不適合審査を開始するほど深刻ではないと判断したとみられる。兵役法などでは、心身障害で正常な服務が困難な場合、軍医の医学的意見に基づき処分変更が可能だが、そこには至らなかった。

陸軍は「規定に基づき可能な措置はすべて取った。面談記録などから私的な問題が大きく影響したとみている」とし、いじめ疑惑については「捜査中」としている。陸軍捜査団とソウル警察庁が死亡原因と経緯を捜査している。

(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News