ウクライナ軍の小隊が前線で孤立、動画で支援要請「水も食料も支給されていない」

08月13日 08:09


ウクライナ南部で、夜間任務にあたるウクライナ軍の無人機対策モバイルグループの兵士たち。ウクライナ軍第121独立領土防衛旅団提供(2024年6月19日撮影、資料写真)。(c)AFP PHOTO / press service of the 121st separate brigade of the Territorial Defense of the Armed Forces of Ukraine


【8月13日 AFP】ウクライナ軍第121独立領土防衛旅団の小隊が、前線で交代なしに4か月以上を過ごし、水も食料もない状態で数日間生き延びてきたと主張し、軍指導部に助けを求めている。

同旅団の複数の兵士は、11日に公開されSNSで急速に拡散された動画に、痩せこけ疲れ果てた姿で登場し、ミハイロ・ドラパティ軍総司令官に直接訴えた。

小隊長のアナトリー・サイチュク氏は動画で、「すべての陣地を破壊されたため、私たちは自分たちで見つけたシェルターにとどまっている。3~7日間、飲料水も食料も支給されていない」と訴えた。

サイチュク氏によると、同隊は12日間水なしで過ごしたこともあったといい、「私たちは自分の尿を飲み、何か補給物資が投下されるのを待っていた」。

同隊はもともと1か月間の任務で配備され、無人機で補給を受ける予定だったという。

サイチュク氏は、「だが、実際はそうならなかった」として、軍指導部が兵士の家族に「(各隊には)必要なものがすべて行き届いている」とうその説明をしてきたと批判。

さらに、「水や食料の不足により、数日間にわたって意識が朦朧としていた兵士もいた」と述べ、最終的に陣地を放棄することに決めたと明らかにした。

第121独立領土防衛旅団の司令部はフェイスブックでこの動画が本物だと認め、「極めて困難な」戦況において「兵士に必要な補給を行うためあらゆる必要な措置を引き続き講じている」とコメントした。

この地域を統括する「南部」統合部隊は、同小隊が「前線の困難で流動的な方面」で戦闘を行っていたとし、動画に映っているのは「複雑な作戦環境の一部分を切り取ったものにすぎず」、事態の全容を捉えたものではないと述べた。

深刻な兵員不足に直面しているウクライナ軍は、長期にわたり前線の部隊を交代させることができずにいる。また、戦闘地域には無人機が飛び交っており、兵士への補給がますます困難になっている。

ウクライナ軍では過去にも同様の食料不足により兵士が衰弱するケースが表面化している。(c)AFP