物流高度化で需要拡大 中国の無人フォークリフトが海外市場へ

07月14日 16:00


湖南省長沙市の三一集団・星沙産業園を視察するパキスタンのアシフ・アリ・ザルダリ大統領。写真は同大統領が三一集団のスマートフォークリフトに触れる様子=2026年4月26日撮影・資料写真(c)CNS/楊華峰


【7月14日 CNS】「私もパキスタンでこうした製品を生産したい」「ぜひ自国に持ち帰りたい」。4月下旬、中国を訪問したパキスタンのアーシフ・アリー・ザルダリ(Asif Ali Zardari)大統領は、中国製の無人カウンターバランスフォークリフト(以下、無人フォークリフト)を視察した際、このように語った。

国家元首や経済使節団が中国訪問時に示す関心は、その国の発展課題を映し出すことが少なくない。ザルダリ大統領が無人フォークリフトに強い関心を示した背景には、近年パキスタンで高まる物流自動化への需要がある。

今回注目を集めた無人フォークリフトは、外観こそ一般的なフォークリフトと大きく変わらないが、自律走行や貨物搬送、積み上げ作業を自動で行える点が特徴だ。システムによる一元管理で連続稼働が可能で、倉庫や港湾などでは大量の反復作業を担い、作業効率向上と人手不足の解消に貢献している。

物流自動化ニーズの拡大は、こうした設備の輸出増加を後押ししている。港湾物流では貨物の積み下ろしや移送、保管に多くのフォークリフトが必要となるが、物流量の増加や人件費上昇を背景に、自動化設備への関心が高まっている。製造工場や物流パーク、大規模倉庫では、無人フォークリフトとスマート倉庫システムの連携が物流のあり方を変えつつある。

同様の需要は「一帯一路(Bely and Road)」共同建設国にも広がっている。ベトナムやインドネシアでは工業団地や港湾インフラの整備が進み、越境ECの発展に伴って物流需要も拡大している。人件費上昇と物流効率向上への要求を背景に、自動搬送設備は多くの企業にとって有力な選択肢となっている。

データによると、今年に入り中国の産業用ロボットをはじめとするAI関連製品の輸出は大幅に増加している。製造業の集積地として知られる広東省(Guangdong)東莞市(Dongguan)では、「パレタイジングロボット」と呼ばれる協働ロボットの世界販売台数の3台に1台が同市で生産されている。輸出先はタイ、トルコ、メキシコなど60か国以上に及び、溶接ロボットや搬送ロボット、組立ロボットなど幅広い製品が展開されている。

これまで高性能な物流自動化設備市場は欧米や日本企業が主導してきた。しかし、中国では新エネルギー産業やスマート製造業の発展に伴い、完成品から主要部品まで一貫して供給できる体制が整いつつある。量産能力とサプライチェーンの優位性を背景に、コスト管理や製品開発のスピードで競争力を高めている。

一方で業界関係者は、設備輸出は海外展開の第一歩に過ぎないと指摘する。無人フォークリフトなどのスマート物流機器は、ソフトウェアシステムや遠隔保守、データ管理、人材育成といったサービスを含むケースが多い。海外顧客にとっては価格だけでなく、保守体制や技術支援、現地サービス網の充実度も重要な判断材料となる。

近年、中国企業は新エネルギー車や建設機械分野で現地生産・現地サービスの新たなモデルを築いており、その流れは物流機器業界にも広がり始めている。ザルダリ大統領が現地生産への期待を示したことは、こうした産業協力への需要を反映している。現地生産は運営コスト削減だけでなく、雇用創出や関連産業の発展にもつながる。

新興国で物流システムの高度化が進む中、無人フォークリフトや倉庫ロボットなどの自動化設備は幅広い分野へ浸透しつつある。中国のスマート物流機器は海外市場への進出機会をさらに広げており、導入国にとっても新たな発展の機会となっている。(c)CNS/JCM/AFPBB News