米メディア、トランプ氏の合意を一斉に酷評「イラン人に手玉に取られた」

06月19日 16:43


フランス東部エビアンで開催された先進7カ国首脳会議(G7サミット)で、家族写真撮影の前にネクタイを直すドナルド・トランプ米大統領(2026年6月16日撮影)。(c)Isabel Infantes / POOL / AFP


【6月19日 AFP】開戦前の目標は放棄され、イランの勢力は強化され、数百億ドルが浪費された。イランとの戦闘終結に向けた覚書で、ドナルド・トランプ大統領がイランに譲歩したことを米メディアは一斉に酷評している。

トランプ氏は17日、中東を巻き込み世界経済を揺るがしたイランとの戦闘に終止符を打とうと、仏パリ郊外での夕食会の席で覚書に署名した。

だが、対イラン軍事作戦の賛成派も反対派も、一斉にトランプ氏を批判している。

普段はトランプ氏に好意的なFOXニュースでさえ、「(今回の合意は)イランの核開発計画の放棄を要求することなく、イラン側に『巨額の経済的利益』を与えただけだ」という批判の声を引用して報じた。

今回の合意は、イランの核開発の野心に対する長期的なコントロールをめぐる本格的な交渉を開始するための時間を稼ぐ、暫定的な取り決めにすぎない。米政府は長年、イランが秘密裏に核兵器開発計画を進めていると疑っている。

合意文書によると、イランの核開発計画に関する最終合意に達した暁には、米国は周辺地域諸国が後援する3000億ドル(約48.2兆円)規模の復興基金の拠出を促進することになっている。

トランプ氏の側近からの情報発信があったとしても、FOXニュースが今回の合意に対する批判に多くの時間を割く流れを変えることはできそうにない。

FOXニュースは、「トランプ政権はこの合意を『画期的な進展』と描写しているが、イランに提示した譲歩は、見返りとして確保した確約をはるかに上回っているとの批判の声が上がっている」と伝えた。

また、左派系の米テレビネットワーク「MS NOW」は、「ホワイトハウスは、開戦前の目標を何一つ達成していないにもかかわらず、イラン政府に対して莫大(ばくだい)な経済的譲歩を提供する停戦延長に同意してしまった」と報じた。

「現在、政権は必死に正当化を試みている。端的に言えば、トランプ氏はイラン人に手玉に取られたのであり、彼の『情報操作』を信じる者はいない」と付け加えた。