【三里河中国経済観察】杭州、「二つの空港」時代が目前に

06月26日 16:00


杭州蕭山国際空港=提供写真(c)CNS


【6月26日 CNS】中国の主要都市の間で、「第2空港」をめぐる競争が静かに始まっている。

最新の動きは浙江省(Zhejiang)杭州市(Hangzhou)から出てきた。杭州市発展改革委員会の公式サイトはこのほど、「2026年第1弾委託研究課題プロジェクト公開入札公告」を発表した。その中には「長江デルタが世界級空港群を共同建設する背景における杭州第2空港の立地選定研究」が含まれており、予算は20万元(約472万1740円)とされた。

20万元の研究課題に関する一つの公告。一見すると大きな動きには見えないが、杭州が「二つの空港を持つ都市」を目指す競争に正式に加わるうえで、重要な一歩といえる。当局は慎重な姿勢を崩しておらず、現段階ではあくまで初期研究であり、短期的に建設計画が具体化する予定はないと強調している。それでも、第2空港の建設が杭州の視野に入っていることは明らかだ。実際、杭州が第2空港に言及したのは今回が初めてではない。

数年前の計画でも、杭州第2空港の戦略計画研究を始める方針が示されていた。例えば、杭州市が2022年1月に発表した「杭州市総合交通発展第14次5か年計画」では、杭州蕭山国際空港(Hangzhou Xiaoshan International Airport)について「年間旅客1億人、滑走路4本」の規模を見据えた拡張を進めるとともに、杭州第2空港の戦略計画研究を開始するとしていた。

なぜ第2空港を計画する必要があるのか。その答えは、杭州蕭山国際空港の実績に表れている。2025年、杭州蕭山国際空港の年間旅客取扱量は初めて5000万人を突破し、5046万人に達した。全国では7位だった。2001年には300万人にも満たなかったことを考えると、25年で約17倍に拡大したことになり、その成長は非常に目覚ましい。

ただ、杭州が切迫感を持つ理由は別の数字にある。杭州蕭山国際空港は、この旅客規模をわずか2本の滑走路で支えている。発着便の平均搭乗率は89.1%に達し、国内の主要10空港の中で24カ月連続トップとなっている。すでに国内で最も忙しい5000万人級空港の一つだ。これは何を意味するのか。杭州より上位にある北京市、上海市、四川省(Sichuan)成都市(Chengdu)はいずれも3本以上の滑走路を備えている。杭州はより少ない滑走路で、より高い負荷を受け止めながら、同規模の旅客需要を支えていることになる。

杭州蕭山国際空港ではすでに第3滑走路が計画されており、2030年には年間旅客取扱量が6000万人を突破する見通しもある。しかし、拡張で解決できるのは今の課題であり、新空港の建設こそが将来の成長余地を広げる。

二つの空港は、単なる交通インフラではない。都市の格を示す一つの指標でもある。厳密にいえば、現在の中国で「二つの空港を持つ都市」と呼べるのは、上海、北京、成都の3都市だけだ。その基準も明確で、超大型旅客機の運航に対応できる大型空港を2カ所保有していることが条件となる。2025年、上海の二つの空港の旅客取扱量は1億3500万人に達し、世界の都市で3位を維持した。北京の二つの空港は1億2400万人、成都の二つの空港は9000万人を突破した。

これが「一都市二空港」のハブ機能である。杭州がまだ計画研究の段階にあるのに対し、広東省(Guangdong)広州市(Guangzhou)や重慶市(Chongqing)などはすでに一歩先を進んでいる。広州新空港は2026年3月に仏山市(Foshan)高明区で着工した。市をまたぐ立地をめぐって議論はあるものの、二大ハブ体制はすでに固まっている。重慶の璧山空港も建設地が承認され、2030年の開業を目指している。こうして見ると、杭州が第2空港の研究を始めたことは、現実的な需要に基づくものであると同時に、都市発展の必然でもある。

都市の規模や影響力を見ると、杭州はG20サミットやアジア大会の開催後、存在感を高め続けている。2025年の域内総生産は2兆3000億元を突破し、市街地人口は1000万人を超えた。「杭州市国土空間総合計画(2021~2035年)」では、杭州は「東部地域の重要な中心都市」「国際的な総合交通ハブ都市」と位置づけられており、国家レベルでもより高い都市機能が与えられている。

もちろん、二つの空港を持つこと自体が最終目的ではない。空港の本質は、人、物、資金、情報の流れを集め、配分することにある。将来、二つの空港をどう役割分担させるのか。上海のように「浦東は国際線中心、虹橋は国内線中心」とするのか、成都のように「天府を主力、双流を補完」とするのかは、杭州の都市戦略と産業配置にかかっている。

20万元の研究課題の入札から、将来の滑走路が実際に姿を現すまでには、まだ長い道のりがある。それでも間違いなく、杭州の「二つの空港」時代は、ぼんやりとした遠景から、よりはっきりとした現実へと近づいている。(c)CNS-三里河中国経済観察/JCM/AFPBB News