「いつかこうなると…」修道女襲撃に揺れるエルサレム、日常化する宗教的暴力

05月04日 18:34


エルサレム旧市街の聖墳墓教会に向かって歩く修道女(2026年5月3日撮影、資料写真)。(c)HAZEM BADER/AFP


【5月4日 AFP】先週、カトリックのフランス人修道女がエルサレムでユダヤ人の男に襲撃される映像が拡散し、世界中に衝撃を与えた。しかし、現地で日曜ミサに出席した信者たちにとっては、こうした「宗教的敵意」をむき出しにした事件は日常の一部になりつつある。

防犯カメラで4月28日に撮影された映像には、極右のユダヤ人の男が修道女を後ろから押し倒す様子が捉えられていた。男は一度現場を離れたが、すぐに戻って修道女に対する暴行を再開した。映像では、男の暴力を止めようと介入した通行人の様子も確認できる。

この修道女に対する暴力行為は、日曜礼拝に出席した人々の間で話題となった。日曜礼拝に本人の姿はなかった。

教会のオリビエ・カテル司祭は、修道女はまだ痛みを感じているが「支援に囲まれている」と述べた。

カテル司祭がエルサレムに来たのは10年以上前のことだが、当時はこのような事件は稀だったという。「修道服を着て外出しても、超正統派ユダヤ教徒から背後で唾を吐かれることは年に1回あった程度」と話す。

だがここ3~4年で、こうした行為は日常的となり「外出すると、私たちの近くで唾を吐かれることはよく起きる」と説明した。

エルサレムを拠点とする宗教間対話のための団体「ロッシングセンター」によると、イスラエルと東エルサレムではキリスト教徒への「嫌がらせ行為が増加」している。

今年3月に発表された調査結果によれば、2025年には、暴行、唾吐き、唐辛子スプレーの使用など、61件の身体的攻撃が確認された。暴言を浴びせられたケースは28件で、教会財産の損壊行為は52件に上った。

匿名を希望する英国人司祭も、こうした事件が日常的に発生していると話す。

同司祭は、外出時には常に黒いローブを着用していることから、必ず唾を吐かれたり「国に帰れ!」と暴言を吐かれたりするのだと述べた。