成都に「労働関係スーパー」開店、直ぐに利用できる便利なサービス・中国

04月15日 16:00


「新都区調和労働関係スーパー」で棚に並べた「商品」を整理するスタッフ=撮影日不明・資料写真(c)CNS/何浠


【4月15日 東方新報】中国・四川省(Sichuan)成都市(Chengdu)新都区の政務サービスセンターに、淡い木目のオープン型のサービスラックが、まるでスーパーの商品棚のように整然と並んでいる。法律相談、技能研修、子ども預かりなど様々なサービスに関するパンフレットが分野別に配置され、青地に白文字で書かれた「権益保障」「幸福な生活」などの表示板がひときわ目を引く。

職員が丁寧に資料を整理する傍らでは企業の人事担当者や従業員が足を止めて、パンフレットを手に取ってサービス紹介に目を通している。QRコードをスキャンすれば予約やマッチングが可能だ。ここにはお菓子や飲み物は置いていない。ここは、新都区総工会(労働組合)が企業と従業員のために特別に作った「調和ある労働関係のスーパーマーケット」だ。暮らしに密着したサービスを「商品棚に並べ」、需要と供給のマッチングを、まるでスーパーマーケットに行くように気軽にできるようにした。

調和ある労働関係構築の総合改革モデル地区として、新都区は労働関係のガバナンスにおいてこれまでも蓄積があったが、「サービスを探すのに足を棒にして疲れ果てる」「需要と供給の情報が非対称」というような問題は、依然として多くの企業や従業員を悩ませていた。新都区総工会党組織メンバーの李迅(Li Xun)副主席は「労働法の相談をしたいなら司法部門に行かなければならず、技能訓練の申し込みは人力資源・社会保障部門に探しに行く必要があり、手続きが煩雑で分散していた」と率直に吐露した。

そして「まさにこのような課題を解決するため、区は『スーパー』という生活に身近な仕組みを使い、人力資源・社会保障部門、司法部門、労働組合および専門機関のサービス資源を統合しパッケージ化した。誰でも気軽に立ち寄れるようにし、距離を縮め、本当に心に届くサービスを提供したいと考えた」と語った。

現在、この特別な「スーパー」は、行政サービスセンターや労働組合の従業員サービス拠点など4か所で試験的に実施されており、またオンラインでは微信(ウィーチャット、WeChat)ミニプログラムで利用可能で、まさに「現物を見て買い物でき、オンラインでも予約可能」となっている。

サービス棚に並ぶ「商品」は、明確に3つのカテゴリーに分類されている。「権益保障」カテゴリーには法律普及啓発や労働紛争調停などが含まれ、雇用における課題解決を支援する。「成長発展」カテゴリーには技能訓練、模範労働者・職人育成などが含まれ、従業員の能力向上を後押しする。「幸福な生活」カテゴリーでは、心理カウンセリングや子ども預かりなどのサービスを提供し、従業員の日常生活を多角的にサポートする。
各サービスには内容、担当窓口、予約方法が明記されており、一目で分かるようになっている。

サービスをより専門的にするため、「スーパー」には複数の特色ある「サプライヤー」が参加している。労働組合が設立した「成都工匠学院」は、成都市の3000人余りの「工匠(たくみ)」の人材を活用し、公益的な知的財産権講座を開講するとともに、企業と工匠をマッチングして生産技術上の課題解決を支援している。

四川開辰法律事務所は労働紛争調停を450件以上手がけ、10社に対して無料の労働関係事務代行サービスを提供し、またある企業の従業員約30名の賃金及び経済補償問題を適切に解決するなど、労使双方の権益を効率的に守っている。

四川科倫薬業(Sichuan Kelun Pharmaceutical)の労働組合の楊琴(Yang Qin)副主席は「以前は、雇用コンプライアンス指導を受けるのに何か所もの部門を回る必要があったが、今は『スーパー』に行けばワンストップで全てが揃い、とても便利だ」と評価する。

企業はカスタマイズされた技能訓練を迅速に受けられ、従業員に人気の無料法律相談や工匠研修などのサービスも利用できるため、職場の意欲や効率が向上したという。多くの従業員も「以前は政策相談や技能向上研修はとても面倒だったが、今は『スーパー』に行くだけで解決できる。日用品を買うのと同じくらい気軽だ」と話している。

現在、新都区の調和がとれた「労働関係スーパー」は、機動的な見直しと調整のメカニズムが備わっている。毎月サービスリストを更新し、四半期ごとに対面式の交流会を開催し、政府・企業からのフィードバックに基づいてサービスの「新規投入」や最適化を随時行っている。

李迅副主席は「今後もサービス品目を充実させ、組合の温かみのある『スーパー』で政府と企業をつなぎ、従業員にサービスを届ける懸け橋とし、より便利なサービスを通して調和ある労働関係を育み、地域の発展と暮らしに寄り添う温かみを添えていきたい」と語った。(c)東方新報/AFPBB News