【4月15日 東方新報】タッチングの練習、粉ミルクの調合、体温測定・・・、成都師範学院(Chengdu Normal University)の「幼保一体化総合実習教室」では、一団の「00後世代(2000年代生まれ)」の大学生たちが「赤ちゃん(ダミー人形)」を抱き、「子育て」スキルを練習している。これらの「赤ちゃん」はシミュレーション教材とはいえ、学生たちの一挙手一投足には、専門性と厳密さがにじみ出ている。
外部から「科班(正規の専門教育を受けた)子育て大学生」と呼ばれる彼らは、四川省(Sichuan)で唯一の「乳幼児の発達と健康管理学部」の学生である。従来のベビーシッターとは異なり、彼らの「子育て論」は、教育学、心理学、看護学、栄養学など複数の学科の基礎の上に成り立っており、彼らは専門性と厳密さをもって「科学的育児」を改めて定義しようとしている。
関係者によると、成都師範学院は0~3歳の乳幼児ケア人材育成の分野で20年以上にわたり深い取り組みを続けてきた。同校ははやくも2004年には「早期教育学院」を設立し、全国初の「0~3歳児早期発達・教育研究センター」を設置、その後徐々に0~6歳の保育と教育の一体化を重視した応用型専門人材の育成という学科の特色を形成してきた。
成都師範学院はこの学科の特色を活かし、24年9月に乳幼児発達と健康管理学部の専門課程の学生を初めて募集し、四川省(Sichuan)で初めてこの専門課程を開設した公立本科大学(四年制大学)となった。現在、この専門課程の在学生はすでに100名に達している。
21歳の向小会(Xiang Xiaohui)さんはこの専門課程の2年生だ。当初この専門課程を志望したのは、個人的に子どもが好きだったからだ。しかし、休暇中には疑問の声を耳にすることもあった。「大学を出ても、結局は他人の子守りをするだけじゃないの?」、こうした疑問に対し、向さんは自身の考えを持っている。「子供の早期の発達は非常に重要で、科学的な応答的なケアは、年配の世代が考えるような生活の世話だけにとどまらず、子供の認知や感情などの目覚め(啓発)に深く関わるものだ」、彼女はこう考えている。
1年余りの専門学習を経て、向さんの「育児」に対する理解は、伝統的な子育て方法とは異なるものになりつつある。食事を例にとると、彼女は年配の世代が清潔さを保ち手間が省け、後片付けの面倒を避けるために、幼児を追いかけて食事を与える習慣があることに気が付いた。しかし専門的な視点から見れば、幼児に自分で物をつかませ、食べ物を探させることは、幼児の手と目の協調能力を鍛えるだけでなく、彼らが世界を認識し、自主性を確立する重要なプロセスなのだ。
この専門課程では少数派の男子学生・李幸健(Li Xingjian)さんは、性別(男であること)こそがむしろ優位性だと考えている。「男子学生は幼児たちと一緒に体を動かす運動ができるし、その過程で彼らが正しいジェンダー(性別)意識を確立するのを助けることもできる」、彼は「男性としての関与は乳幼児の成長にとって非常に重要だ」という見方をしている。
多くの授業の中で、彼は実践的な実習授業を特に好んでいる。初めて「模擬赤ちゃん」を抱いた時のことを振り返り「非常に緊張した」と率直に話した。「赤ちゃんはとても小さいので、抱く時にはとても優しくしなければならない」と感じたという。
1年以上の実習を経て、今では赤ちゃんを抱っこする技術は熟练の域に達している。彼は、乳幼児をケアするには「大胆かつ細心」であることが必要で、動作を敢行する勇気を持ちつつ、常に慎重さを保たなければならないと考えている。
成都師範学院「教育科学学院」の「乳幼児発達と健康管理学部」専門課程の羅群(Luo Qun)副主任は「カリキュラムの設定で実習授業の割合は50%を超えている。我々は教育において『応答的なケア』の理念を重視しており、その核心は乳幼児を尊重し、彼らのニーズに応じてタイムリーで適切かつ正確な『応答』をすることである」と紹介する。
羅氏は、専門教育の使命は、従来の「経験に頼った子育て」とは異なり、学生に乳幼児の行動の背後にある心理的、生理的発達の論理を理解させ、科学的な育児の理念を広めることにあると強調している。
学生層の特徴について、同学院の張佳(Zhang Jia)副院長(教授)は「この専門課程の第一期生は中等職業学校の看護系出身者から募集し、彼らは一般的に看護師資格を保有しており、確かな医学的基礎を備えている」と話し、「その基礎の上に、我々の教育学、心理学、芸術類などの専門課程を重ねることで、保育系の専門課程における中等職業学校、高等職業学校(短期大学)水準の天井を打ち破り『医養教』(医学・ケア・教育)の融合を真に実現し、就職の道も大幅に広がっている」と説明した。
短期大学レベルの技能型人材育成と比較して、学部段階の教育は「医療と保育の融合、産業界と教育界の連携、職業教育と一般教育の融合」という人材育成メカニズムの構築に重点が置かれている。張氏は「この専門課程が掲げる目標は、第一線で活躍する優秀な実践者を育成するだけでなく、学生が業界の発展をけん引するリーダーとなり、早期教育の規範化、専門化を促進し、社会が広く関心を寄せる『子育ての難しさ』の問題に真に応えることにある」と述べている。(c)東方新報/AFPBB News