【三里河中国経済観察】北京市発改委の楊秀玲氏、6GやBMIに言及

12月24日 16:00


浙江省杭州市でBMIを活用したインタラクティブゲームを体験する子ども=2025年4月29日撮影・資料写真(c)CNS/吴君毅


【12月24日 CNS】「『第15次五か年計画』の初年度にあたり、北京市は教育・科学技術・人材という資源の強みを十分に発揮し、科学技術イノベーションと産業イノベーションの深い融合を一層推し進めていく必要がある」

北京市発展改革委員会の党委書記兼主任である楊秀玲(Yang Xiuling)氏は、「三里河中国経済観察」の単独インタビューでこのように強調した。

楊氏によれば、北京市は現代的な産業体系の構築を軸に、中試(パイロット生産)など産業プラットフォームの整備を強化し、人工知能(AI)、バイオ医薬、ロボットといった強みのある分野をさらに拡大・高度化するとともに、6G、量子技術、バイオ製造、脳と機械をつなぐ「ブレイン・マシン・インターフェース(BMI)」などの新たな成長分野への布局を加速する方針だ。また、現代サービス業を大きく育成し、高品質な発展を着実に推進していくという。

三里河の取材によると、近年の北京は将来産業の主戦場を先取りする動きを加速させている。

公式統計によれば、2025年1~9月期の北京市のGDPは前年同期比5.6%増となり、情報通信・ソフトウエア・ITサービス業と金融業が合計でGDP成長を4ポイント押し上げた。特に注目されるのは、工業分野の戦略的新興産業が17.9%増と高い伸びを示し、工業成長への寄与率が116.5%に達した点だ。

北京はどのようにして将来産業の分野で「一歩先」を行く体制を築いているのか。その答えは、三つの「キーワード」に集約される。

◾️キーワード1「チェーン」

一本の木では森にならない。北京はここ数年、完全な産業エコシステムの構築に力を注いできた。その成果として、すでに複数の成功事例が生まれている。

北京経済技術開発区にある国家信創パークでは、CPU、オペレーティングシステム、データベース、サーバー、完成端末、スーパーコンピューティング、サイバーセキュリティサービス、アプリケーションソフトまでを網羅する情報技術応用イノベーションの産業チェーンが形成され、「同じビル内がそのまま上流・下流、園区内で完結する」という独自の産業景観を実現している。

また、昌平区では「ライフサイエンス・バレー」の建設に注力し、産業投資は100億元(約2213億9900万円)超、供給用地は1000ムー(約66万平方メートル)超、産業売上高は1000億元(約2兆2139億円)を突破した。基礎研究から中試開発、生産・流通、最終医療応用に至るまでの一貫した産業チェーンも構築されている。

技術、人材、資金といった要素の円滑な循環を促しながら、北京は強靭で競争力のある産業エコシステムを形づくりつつある。

◾️キーワード2「集積」

一社が一つのチェーンを牽引し、チェーンが集まって産業群を成す。北京では、新世代情報技術、科学技術サービス、医薬・健康の3分野でそれぞれ1兆元規模の産業クラスターが形成され、さらにスマート製造など7分野で1000億元規模の産業クラスターが育っている。

国家ハイテク企業、国家級の「専精特新(特化・精密・特色・革新)」を備えた「小巨人企業(高度な技術力を持つ特化型中小企業)」、ユニコーン企業の数はいずれも全国の都市で最多だ。2024年末時点で、北京の専精特新型中小企業は1万社を超え、総売上高も1兆元(約22兆1399億円)を突破している。

キーワード3「融合」

京津冀(北京市・天津市<Tianjin>・河北省<%Hebei%>)協同発展の枠組みの中で、北京はその立地優位性を最大限に生かしている。

データによると、2024年時点で中関村企業が天津や河北に設立した拠点は1万社を超え、2014年からの10年間で、北京から天津・河北に流れた技術契約の取引額は累計2800億元(約6兆1991億円)を上回った。「北京で研究開発、天津・河北で製造」という分業モデルが定着しつつある。

自動車産業を例に取ると、京津冀三地域は強みを補完し合い、一つの産業チェーンを共有し、一台の車を共に生み出している。2024年の京津冀地域の自動車生産台数は285万台で、前年同期比11.8%増となり、このうち新エネルギー車は67万6000台と、154%の大幅増を記録した。

三地域の産業協調は進み、規模も着実に拡大している。

長期的視野に立ち、体系的な戦略を描きながら、北京は新たな発展の原動力と競争優位の創出に全力で取り組んでいる。(c)CNS-三里河中国経済観察/JCM/AFPBB News