【12月4日 AFP】英国の全国女性協会連盟(NFWI)は3日、トランスジェンダー女性の受け入れを停止すると発表した。前日には、少女らを支援する同国の慈善団体ガールガイディングも同様の措置を取っている。
NFWIとガールガイディングはいずれも、英最高裁が4月に法律における「女性」の定義は生物学的性別に基づくとの判決を下したのを受けた措置だと説明している。
NFWIのジェリル・ストーン会長は、ソーシャルメディアに投稿した動画で、「大変残念なお知らせだが、2026年4月以降、トランスジェンダー女性の皆さんを正式な会員とすることができなくなる」「私たちは40年以上にわたり、トランスジェンダー女性の皆さんを誇りを持って歓迎してきた」と述べ、やむを得ない措置であることを強調した。
NFWIは1915年に設立された英国の団体で、特に地方部のローカル女性団体との広範なネットワークを持ち、社交イベントや慈善活動で知られる。
ストーン氏は、多くの人がこの発表を「非常につらい」と感じるであろうことは承知していると述べ、同団体は「トランスジェンダー女性が女性であるという確固たる信念」を堅持していると付け加えた。
ガールガイディングは2日、トランスジェンダー女性は今後同団体に入会できなくなると発表した。
1910年に設立されたこの慈善団体には、レインボー、ブラウニー、ガイド、レンジャーの各グループに所属する4~18歳の会員が約30万人いる。
ガールガイディングは声明で、「綿密な検討の結果、ガールガイディングの評議員会は、ガールガイディングは変革しなければならないという難しい決断を下した」と述べた。
トランスジェンダーの権利擁護団体は、両団体の決定を強く批判。
「トランスアクチュアル」は、「数十年とは言わないまでも、長年にわたりトランスジェンダーを快く受け入れてきた団体に対し、少数の過激派が自らの見解を押し付けたことは明らかだ」と述べた。
4月の最高裁判決を受け、英国の平等・人権委員会(EHRC)は、トランスジェンダーの人々は、トイレなどの男女別公共スペースを生物学的性別に基づいてのみ利用できると発表した。EHRCはより包括的なガイドラインを作成しており、現在政府が検討を進めている。(c)AFP